日本の昔話で最も有名な主人公と言えば、「桃太郎」ですね。

しかし多くの人が疑問に思っているのが、「なぜ家来が犬・猿・キジなのか…」ということではないでしょうか。

鬼退治に行くのなら、もっとクマとか強そうな動物を連れて行けばいいのい、と。

 

特にキジなんて、「なんでキジなんだよ!」「役に立ってない」とよくツッコミを入れられたり、ネタにされているのを目にします。

今回はそんなキジの名誉挽回も兼ねて、桃太郎の謎に迫っていきたいと思います。

桃太郎とは

桃太郎は日本人ならば知らない人はいないほどポピュラーな昔話ですね。

物語のあらすじは歌にもなっているので、そちらを見てみましょう。

 

桃太郎さん桃太郎さん

お腰につけたきび団子

一つわたしにくださいな

 

やりましょうやりましょう

これから鬼の征伐に

ついて行くならやりましょう

 

行きましょう行きましょう

あなたについてどこまでも

家来になっていきましょう

 

そりゃ進めそりゃ進め

一度に攻めて攻めやぶり

つぶしてしまえ鬼ヶ島

 

おもしろいおもしろい

残らず鬼を攻めふせて

ぶんどりものをエンヤラヤ

バンバンザイバンバンザイ

おともの犬や猿キジは

いさんでくるまをエンヤラヤ

 

桃から生まれた桃太郎が、村を苦しめる鬼たちを、犬・猿・キジをお供にして倒しに行くという王道ストーリー。

ロールプレイングゲームの元祖みたいなお話ですね。

 

歌も3番くらいまでならよく知っている人が多いと思いますが、その後はあまり知られていません。

よく見てみると、「つぶしてしまえ」とか、「鬼を攻める」のが「おもしろい」とか、「ぶんどる」とか…所々主人公にあるまじき表現も。

 

きっと3番以降があまり知られてないのは、この表現のせいなのではないかと思わずにはいられませんね。

鬼にとっては、桃太郎の方が鬼のようなのでは…。

なぜお供の動物が「犬・猿・キジ」なのか

お供が犬・猿・キジってちょっと頼りないですよね。

なぜそんなメンバーがお供としてチョイスされたのでしょうか。

みなさんは「陰陽五行説」というものを知っていますか?

詳しくは知らなくても、鬼の居る方角である「鬼門」などという言葉を聞いたことはありますよね。

 

そして方角の事を十二支で表して、「酉の方角」「寅の方角」なんて言ったりもしますよね。

実は鬼門の方角は「丑」と「寅」が配置されていて、その反対側が「申」「酉」「戌」の方角に当たります。

 

それに当てはめて、鬼(鬼門)に反対の力(戌・申・酉)をぶつけて倒すために、桃太郎は犬・猿・キジをお供にしたのではないかと言われているのです。

鬼が虎柄のパンツをはいて、牛のような角を持っているのも、鬼門である丑と寅の方角に当てはめたからなんですよ。

そこでもう一つ疑問なのが、なぜ酉(とり)がキジなのかということ。

 

もっと強そうな鳥はいくらでもいそうなのに、不思議ですよね。

実はキジ、かつては天皇への献上品とされたり、国鳥に選ばれるなどとてもポピュラーな鳥だったんです。

今でこそなんだかマイナーな鳥と言う印象ですが、昔は違ったんですね。

 

偵察→キジ、作戦→猿、攻撃→犬

このような感じで何気にきちんと役割分担ができているのも面白いですよね。

そう考えると、この組み合わせは理想的なパーティーのような気がしてきました。

桃太郎についてのまとめ

良く知ってるはずの物語でも、ちょっと掘り下げてみると新たな発見があるものですね。

最もポピュラーな話ではお供が犬・猿・キジですが、実は地方によって違うパターンもあり、馬糞・ムカデ・石臼・針などバラエティに富んでいます。

 

もしあなたが桃太郎なら、何をお供に連れて行きたいですか?

ちなみに、桃太郎と言えば岡山県!というイメージが強いですが、実は桃太郎ゆかりの地というのは全国各地にあります。

実は私岡山県出身で、「桃太郎は岡山県発祥!」と思い込んでいたので、真実を知った時には少しショックでした。

(ライター もんぷち)