千と千尋の神隠しでも話題になった「イモリの黒焼き」

イモリの黒焼きは江戸時代”惚れ薬”と呼ばれ、売られていたそうです。

気になる効能について調べてみました。

イモリの黒焼きの歴史

明治時代よりももっと昔、中国の男性が”ヤモリ”に”朱”と呼ばれるものを餌として与え、飼っていました。

そのヤモリの血を女性に塗ると、自分以外の男性と浮気をした際に血が消えて、浮気がばれます。

この浮気防止の塗り薬のことを「守宮(いもり)のしるし」と呼んでいました。

明治時代に「守宮のしるし」が日本に伝わった時に、ヤモリとイモリが間違って伝わりました。

そして「イモリの黒焼き」として江戸時代頃に広まっていきました。

 

江戸時代に「四つ目屋」という淫薬専門の薬屋が撒布薬としてイモリの黒焼きを販売していました。

 

イモリの黒焼きはイモリ科の”アカハライモリ”を炭火の上で蒸し焼きにしたものです。

日本の本州・四国・九州に生息している”二ホンイモリ”のことを”アカハライモリ”と言います。

千と千尋の神隠しでの使われ方

ジブリ作品の千と千尋の神隠しの映画に「イモリの黒焼き」が登場したのをご存知ですか?

千と千尋の神隠しのストーリーの中に、イモリの黒焼きを欲しがる蛙男と、イモリの黒焼きを渡されて顔を赤くする女性が描かれています。

 

千と千尋の神隠しではイモリの黒焼きは、どんな意味があると思いますか?

 

千と千尋の神隠しがまだ製作されている段階の絵コンテにも残されているそうですが、

劇中でのイモリの黒焼きは、かなり貴重な「精力剤」としての意味があったようです。

 

残された絵コンテには、バイアグラよりももっとすごい効果があると記されています。

イモリの黒焼きの効能について

日本の江戸時代、イモリの黒焼きは惚れ薬として取り扱われていました。

別名「なれそめ薬」とも呼んでいたそうです。

 

イモリの黒焼きは、仕切りのある竹筒の中に交尾期のイモリのオスとメスを一匹ずつ入れて焼きます。

 

そのことから、仕切りの向こうの相手に会いたいのに会えず、恋い焦がれて、心臓まで真っ黒に焼けてしまうと言われています。

その他、イモリを引き離して焼いてもその煙が空中で一緒になるという意味もあるそうです。

 

イモリは性欲が強く、よく交尾する動物であり、求愛行動がとても激しいので、このことも関係しているそうです。

 

イモリの黒焼きの正しい使用方法は、イモリの黒焼きを粉にして思いを寄せている相手に振りかけます。

粉がかかった相手は、粉をかけた人に惚れるという惚れ薬。

 

異性だけではなく、家族や友人にも効果があるそうで、相手に気に入られたり、惹きつけたりするという効果もあるそうです。

 

ですがイモリの黒焼きの製法はとっても難しいそうです。

しかも正しい製法を厳密に守って作られたイモリの黒焼きしか惚れ薬としての効能はなく、本物はとても高価だったそうです。

 

しかし、イモリの黒焼きの効能が惚れ薬だという確実な根拠や証拠はありません。

惚れ薬としての効能は、古くから世の中に出回っている言い伝えのようなものです。

惚れ薬が効くかどうかは本人次第といったところでしょうか。

 

現在日本では「イモリの黒焼き」ではなく、「イモリの蒸し焼き」という形で漢方薬として雌雄一対で販売されています。

イモリの黒焼きの効能としては、精力増進や滋養強壮に効くとのことです。

 

イモリは水中でお腹とお腹を向かい合わせて交尾します。

これが人間と同じような行為の仕方なので精力が増す・・・という理由も含まれています。

 

イモリの黒焼きについて まとめ

「惚れ薬」、そんな薬があるなら一度は使ってみたいと思ったことがあるはず。

いつの時代でも人は恋愛し、心を燃やしていたんですね。

 

イモリの黒焼きはインターネット通販で購入することが出来るので、興味のある方は是非お試しください。

(ライター 雲呑)

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