日本の毒蛇として有名なマムシですが、マムシは卵を産みません。

その理由と共にマムシの生態をご紹介します。

マムシって?

マムシは北海道から本州、四国、九州地方、大隅諸島、国後島などに生息しています。

体長は40~60㎝。中には1m以上のものも存在します。

北海道に生息しているものは大型で60㎝以上あり、伊豆大島には赤色の濃い赤マムシと呼ばれるマムシも存在しています。

全身の中でも特に胴体部分が太く、短く太いという印象の強いヘビです。

マムシの生態

マムシは生息している地域によってその生態にも違いがありますが、おおむね小型の哺乳類や鳥類、魚類などを捕食し、共食いの光景も確認されているようです。

 

敵が現れると頸部をもたげ舌を出し入れして尾を細かく振り、怒りを表現します。

威嚇音の「シャー――――」という音もだし、全力で相手を威嚇します。

肛門から強烈なにおいを発することもあるようで、まるでスカンクのよう。

 

樹皮の荒い木には木登りもしますが、基本的にはあまり木には登らないようです。

8~9月に交尾をしますが、メスは体内の腺組織内にオスの精子を蓄え、受精自体は翌年の6月に行います。

受精から90日後に2~14匹の幼体を出産。

出産直後の幼体は20㎝ほどです。

 

卵で出産をせず、幼体を産むのには幼生期の淘汰率を軽減するためだと考えられています。

孵化率も体内で孵化させた方が断然アップします。

 

マムシの成熟は比較的時間がかかり、3~4年ほどだと言われています。

出産のスパンも2~3年ほどで、寿命は10年ほどですから、メスのマムシが一生のうちに出産できるのは1~2回だけということになります。

一生のうちに多くても30個ほどの幼体しか産めないということ。

 

それでも出産時には死んだ状態で生まれてくる幼体もいるというのだから、実際にはもっと少ないことになります。

11月になると冬眠の準備です。

 

冬眠は地域差もありますが、3月頃まで。

冬眠に入る前の天気の良い日には日光浴をし、体温を上昇させてから冬眠に入ります。

マムシの毒性

マムシの毒性は沖縄に生息しているハブよりもはるかに強いです。

しかし、体の大きさがそれほど大きくないので一度に出される毒量はそれほど多くはありません。

 

20gのマウスの静脈に毒を注入した場合の半数致死量は約20マイクログラム。

ハブの35マイクログラムと比べるとその強力さがよくわかります。

人間とマムシの毒

人間がマムシに噛まれるときは大抵、手の部分だそうです。

農作業途中や草むらに手を突っ込んだ時など、足には噛みつかず手に噛みつくというのは面白い現象です。

 

毒量や噛まれた場所によってその症状は違ってくるのですが、とにかく一刻も早い処置が必要です。

マムシに噛まれたと思ったときは極力冷静を保ちながら病院へ向かうのがベストです。

 

下手に自分でマムシの毒を吸いだそうとしたり、洗い流している間に毒は回ってしまいます。

また、焦って心拍数を挙げてしまうのも逆効果。

 

冷静を保ちながら素早く病院へ向かいましょう。

人間だけでなく、犬なども良くマムシに噛まれます。

 

犬や猫は人間よりもマムシの毒に対する耐性があるので、体に何らかの症状として出ることはないのですが、それでも顔はブックりと膨れ上がり、まるで犬とは思えないほどの風貌になることもあるのだとか。

いずれにしてもペットがマムシに噛まれた時も念のため病院に連れて行った方が良さそうです。

マムシ酒は体にもいい

マムシは毒を持っている一方で、漢方薬の材料としても使われています。

マムシの皮を剥いで中身を乾燥させたものを反鼻(はんぴ) といい、滋養強壮などの漢方薬に使われています。

また、一匹まんまのマムシを焼酎につけたマムシ酒なるものも薬用や打撲傷に効くのだそう。

まとめ

毒と薬は紙一重。

刺激のあるものは使い方によっては毒にもなるし薬にもなります。

マムシと上手に付き合ってくださいね。

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