ナベブタムシきはカメムシ目に属する水生昆虫の一種。

一生を水中で暮らすとも言われている不思議な昆虫、ナベブタムシの秘密に迫ります。

ちょっとキモい!?ナベブタムシ

ナベブタムシは漢字で書くと「鍋蓋虫」。その字の通り、どこか鍋蓋を連想させる形状をしています。

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扁平で、円く体長は8~9㎝ほどの茶褐色。

 

3対の脚のうち、後ろ脚はとても長く、後ろ足を使ってスイスイと泳ぐことができます。

上流域の綺麗な川の砂礫の底や発電用水路などに生息すると言われ、日本では本州、四国、九州と幅広い範囲で見ることができます。

一年中みられるナベブタムシ

ナベブタムシの産卵期はとても長く、1~9月まで続きます。

水温が7℃を超えれば交尾が可能になるので、ほぼ一年中産卵することができるからです。

 

卵は1.3㎜程の細長い形をしていて、岩の表面などに産み付けられます。

幼虫は成虫と同じ形をしていて、1齢虫は2㎜、5齢虫になると7㎜程。

 

一年ほど幼虫時代が続き、水生昆虫としては長い期間を幼虫として過ごします。

ですから、幼虫や成虫の姿は1年を通してどの時期でも見ることが出来るというわけ。

ナベブタムシの食性

ナベブタムシは長い口吻を持っています。

人間でもこの口に刺されるとかなり痛い!!

長い口吻を使って、水中で小型の水性昆虫を捕まえ、体液を吸っていると考えられます。

ナベブタムシの呼吸方法

ナベブタムシはプラストロン呼吸という特殊な呼吸方法ができる水生昆虫の一種です。

一生を水中で暮らすとも言われています。

 

プラストロン呼吸というのはタガメやマツモムシ、ゲンゴロウなども行っていて、体表の密集した微毛の中に酸素を蓄え、そこから呼吸器に酸素を運んで呼吸するというもの。

微毛の間の空気の層は酸素濃度が低くなると水中の酸素が自然に層の中に入って補充されるという仕組みになっています。

 

この仕組みのために、ナベブタムシは酸素に何不自由なく安心して水中に潜っていられるというわけです。

タガメやマツモムシなどは、そうは言っても何度か水中に浮かび上がってくるようですが、ナベブタ虫は全く水上に上がってこなくても平気なのだとか。

プラストロン呼吸の研究

プラストロン呼吸の仕組みは人間社会でも関心を集めていて、新しい製品開発等のヒントになっています。

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最近では動力船を必要としない小型の自立式水中無人潜水機の燃料電池に応用する研究がそれにあたります。

 

また、人間がプラストロン呼吸の仕組みを使って自由自在に水中を動き回るためには、直径2.8m、表面積90㎡の空気の層が必要になるということも分かっているそうです。

現在、自然界においてはそのような環境は存在せず、実現は不可能ですが、将来直径2.8mの空気層を可能にする技術が発明されれば、人間がナベブタムシのように一生を水中で暮らすことも可能!!??

ナベブタムシの種類

日本にはナベブタムシの他にトゲナベブタムシとカワムラナベブタムシという2種類がいると言われています。

カワムラナベブタムシは琵琶湖周辺にのみ生息している種類ですが、近年目撃したとの報告がほとんどなく、絶滅してしまった可能性もあると考えられています。

トゲナベブタムシも武蔵庫川にしか生息していないと言われている非常に珍しい種類です。こちらも残念ながら、数は激減しているのだそうです。

絶滅の危機のナベブタムシ

ナベブタムシのプラストロン呼吸は河川の汚れのひどいところでは行うことができません。

そのため、河川工事などで土砂が河川に流れ込んでしまえばナベブタムシの生息場所は一気に奪われてしまうことになります。

 

近年あちこちで行われている河川工事や農薬や洗剤などによる水質汚染の影響でナベブタムシは激減。

絶滅危惧種に指定されるのも時間の問題かもしれません。

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