とっても足が細い「カワラハンミョウ」は、ハンミョウ類の仲間の昆虫です。
砂浜や河原で見かけたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「カワラハンミョウ」って?
カワラハンミョウは、鞘翅(コウチュウ)目ハンミョウ科に属しています。
朝鮮半島やモンゴル・中国・サリハン・シベリア南東部に生息しています。
日本では、北海道~九州までの海岸の砂丘や河原に毎年8月頃に現れます。
気温が高く、晴れた日中に活動しています。
カワラハンミョウの寿命は3年で、そのうち2年は幼虫で過ごします。
「カワラハンミョウ」の形態
カワラハンミョウの大きさは約14~17mmです。
他のハンミョウ類と比べると小さめの大きさです。
腹面は光沢のある紫銅色です。
背面のカラーは光沢のない濃い銅緑色で、青緑色の点刻があります。
上翅に白い模様がありますが、白い模様が大きく広がった為に上翅が白っぽく見えるカワラハンミョウもいます。
この模様がとってもかっこいいんですよ。
砂に近いようなボディーカラーなので、わかりにくくて見つけにくいです。
カワラハンミョウは足がとっても長く細いので、走るのが速くて瞬発力があります。
バネがあり、ビヨーーンと数メートル飛ぶ事が出来ます。
ですが、持久力はありません・・・。
足が細いので、スーパーモデルのようです(笑)
「カワラハンミョウ」の幼虫
カワラハンミョウは毎年6~8月頃、砂地の穴の中に卵を産みます。
夏場は浜辺や河原寄りの砂地で、冬は浜辺や河原近くの林で過ごします。
幼虫の体型は細長く筒のような形をしていて、S字に曲がっています。
あごには大きなカマのようなものが付いています。
幼虫は地中に垂直で細長い30~60cm程の長さの穴を掘り、その入口でじっと身を潜めています。
近くを通りかかった昆虫に飛びかかり、大きなあごでがっちり捕えて細い穴の中に引きずり込んで食べます。
満腹になると、幼虫は穴の奥でお休みします。
引きずり込むとは、幼虫は結構エグい捕食の仕方してますね。
「カワラハンミョウ」が飛ぶのはなんで?
カワラハンミョウはバッタなどの昆虫や小魚・おたまじゃくしを食べます。
あごが大きなカマのようになっているので、餌を仕留めて食べるときに使います。
餌を探しながら移動しているときに、あの細い足でカワラハンミョウはビヨーーンと飛ぶんですよ。
「カワラハンミョウ」は道を教えてくれる?
カワラハンミョウもそうですが、ハンミョウ類は人間が近づくと、素早く飛んで数メートル先の地面に止まって、人間の方に振り向くという行動を繰り返します。
これが人間に道を教えてくれるように見えることから「ミチオシエ(道教え)」という別名が付いています。
ハンミョウ達が本当に道を教えてくれるわけではないのですけどね。
「カワラハンミョウ」は飼育できる?
カワラハンミョウは飼育する事が出来ます。
飼育ケースで育てられるので、夏休みの自由研究などにもおすすめですよ。
カワラハンミョウを飼育する際に一番注意したいのは”土”です。
カワラハンミョウは土にとてもこだわりがあります。
すっごくきめ細かい砂を、7cm程敷いてあげるのがポイントです。
「カワラハンミョウ」が絶滅しちゃう!
夏になると、日本の砂浜や河原でいつでも見られていたカワラハンミョウですが、実は絶滅危機なんです!
日本の絶滅危惧に認定されています。
近年の河川や海岸の工事による、環境の悪化が一番の原因だとされています。
売買やコレクションの為の過度な捕獲も問題です。
カワラハンミョウを救うために、日本各地で運動が進んでいます。
カワラハンミョウの絶滅を防ぐために、何かひとつでも力になればと思います。
(ライター 雲呑)
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