近年、観賞魚としてフグを飼育する方が増えてきました。

丸っこい体型と人懐こい性格が人気の秘訣だそうですが、世の中にはフグよりも丸々とした魚が存在しています。

それが、ダンゴウオです。

ダンゴウオってどんな生き物?

カサゴ目ダンゴウオ科に属する魚を総称して、ダンゴウオと呼びます。

ダンゴウオは漢字で「団子魚」と表します。

その名のとおり、お団子のように丸みを帯びた可愛らしい体つきが特徴的です。

 

ダンゴウオの生態

現在確認されているダンゴウオ科に属する魚はすべて海水域に生息しており、そのほとんどが北極など北半球の冷たい海域に分布しています。

現時点で30種近いダンゴウオの仲間が確認されています。

 

多くは全長10cm前後と小ぶりな種ですが、大きなものは最大60cmにも達する大型のダンゴウオも存在しています。

浅い沿岸から深海まで様々な深度に生息していますが、いずれも吸盤状に発達した腹びれで岩などに張り付いている姿が多く目撃されています。

 

虫も殺さないような可愛らしい見た目のダンゴウオですが、ゴカイなどの多毛類やエビなどの小さな甲殻類を捕食します。

そして体に対してヒレが小さく、また底生性のダンゴウオは浮き袋を持っていないため、泳ぎが下手だという特徴があります。

魚なのに泳ぎが下手だなんて俄かには信じがたいですが、この丸っこい体つきと間抜けな顔を見ればすんなり納得できてしまうから不思議です。

ダンゴウオの種類

フウセンウオ

 

フウセンウオは、ダンゴウオの中でも最もポピュラーな種といえます。

鮮やかなオレンジ色の体色と見る者を癒す間抜けな顔つきは、マニアの間で根強い人気があります。

ナメダンゴ

ナメダンゴは、アクアマリンふくしまのキャラクターフィッシュとして一躍有名になりました。

色鮮やかなナメダンゴたちが舞い踊る印象的なCMは、一度見たら忘れられない大きなインパクトがあります。

見覚えがあるという方も少なくないのではないでしょうか。

ランプサッカー

ランプサッカーは、ダンゴウオ科の最大種です。別名「ヨコヅナダンゴウオ」とも呼ばれています。

その名のとおり、横綱のような貫禄ある姿は一見してダンゴウオの仲間だとは思えないほどの迫力があります。

コンペイトウ

 

コンペイトウは、その名のとおり「金平糖」のような小さなトゲトゲで全身を覆われています。その愛くるしい姿から一部では絶大な人気を誇っています。

ホテイウオ

ホテイウオは、全長30cmにもなる大型種で、ダンゴウオの仲間では珍しく食用魚として知られています。

北海道や東北では「ゴッコ」と呼ばれ、冬の風物詩として親しまれています。アンコウによく似て非常に美味だとのことです。

七福神の布袋様から名をもらい、食べると美味しいなんて、なんとも福のある魚です。

ダンゴウオと人間との関わり

食用であるホテイウオ以外のダンゴウオは、その可愛らしい外見から観賞用としての人気が高く、水族館などで展示されることも多いですが、その生態はいまだ多くの謎に包まれています。

また、冬場になると日本沿岸の海域でも確認できることから、ダイバーの間でも密かな人気を誇っています。

北海道から南は九州まで生息が確認されているそうなので、ダイビングが趣味という方はぜひ探してみては如何でしょうか。

ダンゴウオって飼えるの?

結論から言えば、ダンゴウオは飼育が可能です。

飼育方法は一般的な肉食性の海水魚に準拠しますが、問題は水温です。

 

前述したように、ダンゴウオは寒冷な海域に生息しています。

ダンゴウオの適温は15~18℃だといわれています。

 

1年を通して、ひと部屋まるごとエアコンなどで温度管理をすることが出来るのであれば、飼育はそれほど困難ではないでしょう。

1匹あたり10,000~20,000円前後だそうです。

この記事を読んで、ダンゴウオの魅力にノックアウトされてしまった!という方は、是非とも飼育に挑戦してみては如何でしょうか。

(ライター:國谷正明)

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