ジュエルキャタピラー。名前だけを聞いてどんな生き物を想像するだろうか。

ジュエルとキャタピラー、現実社会では全く別世界にある2つが組み合わさると・・・。

ジュエルキャタピラーって?

ジュエルキャタピラーは中南米の熱帯雨林に生息しているイラガの仲間の幼虫のことをいいます。

中南米では80種類、コスタリカでは20種類ほどが確認されている、とても種類の多い蛾の幼虫です。

レッドマングローブの木を棲み家にしています。

ジュエルキャタピラーの特徴

ジュエルキャタピラーと呼ばれる幼虫にもいろいろな種類がいるのですが、どのジュエルキャタピラーにも共通して言えるのは、全身がまるでグミのようなゼリーのようなぷにょぷにょで覆われているということ。

 

中にはとてもカラフルで派手なものもいますが、シンプルに白色のものもいます。そのバリエーションは実に豊か。成長するにしたがって色が変わっていくものもいます。

 

 

 

全長は成長した状態で30㎜ほど。脚がなく、腹面全体ではい回るように動くことからこの名前が付けられたと考えられていて、他の呼び方としては「ナメクジイモムシ」というものもあるそう。

体からは粘着性のある分泌物が放出されていて、全体がとてもネバネバしています。

アリなどの昆虫はこのネバネバを嫌がって幼虫に近づかないという報告もあり、敵を寄せ付けないための一つの方法なのかもしれません。

この、ネバネバの皮膚は再生能力が高く、敵に万が一、一部をはがされることがあっても見事に再生するのだそうです。

また、独特の派手な色合いや透明感のある奇抜ないでたちは、警戒色と言われ、威嚇の効果があり、近寄りがたい雰囲気を醸し出し、敵を遠ざける効果をもたらす防御方法のひとつということなんです。

プヨプヨでねっとりしてて、透明で・・・って確かに気持ち悪いですよね。

得体のしれない怖さを感じます。

ジュエルキャタピラーの成虫

ジュエルキャタピラーの成虫は幼虫時代からはとても想像ができないほどのものに変身します。

蛾なのですが、まるでファーを何個も体にまとったかのような、ゴージャスな蛾になるのです。

 

カエルの子はカエル!!??とにかく親も子も派手なのが好きなよう。

とにかく奇抜にすることで敵を寄せ付けないという作戦を子供の時から大人になるまで終始徹底しているというわけです。

日本にも生息するジュエルキャタピラーの仲間

イラガの仲間なので、日本にもジュエルキャタピラーの仲間は生息しています。

日本のイラガは毒を持っているので、幼虫も成虫も素手で触るのは危険なのですが、幼虫はしっかりと角と棘をアピールしているので、一目で危なそうとわかります。

色合いはライムグリーンをベースにして黒や茶色やブルーをあしらったカラフルな色合いのものから、同じくライムグリーンを基調にして、シンプルにブルーの斑点がはいったもの等など。

ジュエルキャタピラーほどのキャタピラ感はないものの、その存在感はジュエルキャタピラーに引けを取りません!気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

ちなみに、日本のイラガは柿やバラ、栗、柳、カエデなどの木にいることが多く、秋口には枯れ葉に隠れていたりします。

万が一その針に触れてしまった時には速やかに流水で患部を洗い流し、毒出しをしてください。

もちろん、刺さった針を抜くことも忘れずに!その後、軟膏などを塗っておけば、大事に至ることはありません。

注意したいのは特に子供たちです。

自然界では奇抜な色合いが敵を遠ざけることになりますが、人間の子供には逆効果。公園などできれいな色の動くものをみたら、思わず触ってみたくなるというのが子供心ですよね。

きれいな虫には注意するように普段から声をかけておきたいものです。

きれいなバラには棘があり、もきれいな虫には毒がある!!??

(ライター ナオ)

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