クルマバッタモドキはまさにクルマバッタのモドキなバッタ。

ちょっと見ただけではちょっと区別がつきにくいクルマバッタについて、特徴や見分け方を詳しくお話します。

クルマバッタモドキの特徴

クルマバッタモドキはバッタ目バッタ科の昆虫です。

朝鮮半島、日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、草原性かつ地上性です。

 

若い幼虫は草に登ることもありますが、大きくなるにつれて地面で生活するものもいます。

基本的に乾燥した草がまばらな環境を好みますが、適応力に富み比較的湿潤な環境にも生息して、クルマバッタよりもはるかに普通に見られます。

 

体長はオスが28~30㎜、メスが45~55㎜。体色は雌雄とも褐色ですが緑色の個体もいます。背中には「x」模様が入るのが特徴です。

孵化は4~6月にかけて長期間にわたり、そのため羽化はばらつきがあります。早いものは6月、遅いものは9月に入ってから羽化するものさえあります。

 

オスはメスを見つけるとまずはメスの期限を窺うようにしながら前翅を後ろ肢でこすり発音し、メスがそのまま逃げなければ背に飛び乗り、その後も機嫌を伺い続けメスに気に入ってもらえた時点でやっと交尾が成立します。

 

交尾を終えたメスは地面を掘り進みながら腹部を普段の2倍以上伸ばして産卵します。

卵は非常に細かい泡でくるまれていて生まれたばかりは白いですが固まると薄い赤褐色になります。

メスは3か月の間に3~6回程産卵し、力尽きて命を落とします。

クルマバッタとクルマバッタモドキの見分け方

クルマバッタの体長はオスが40~45㎜程、メスは55~60㎜程です。

名前からもわかる通りクルマバッタとクルマバッタモドキはよく似ていますが背中に「x」模様がありません。

 

後翅の車状の模様はやや薄く、飛ぶときには羽音を立てません。

背中の半円状の盛り上がり方は少なく、殻の模様もやや異なります。顎がクルマバッタの場合は青色ですがクルマバッタモドキは体色と同じ色であるのが区別のポイントです。

 

また、後頸節はオスだけが赤く、顔を正面から見た時はクルマバッタよりも、しもぶくれに見えます。

クルマバッタの場合体色は緑色型と褐色型がいて更に体色には濃淡などの変化がでます。

茶褐色クルマバッタの体色はクルマバッタモドキほど鮮やかでなく、飛翔力はクルマバッタよりも高いのも見分けるポイントになります。

ヒナバッタとクルマバッタの見分け方

ヒナバッタの体長はオスが19~23㎜、メスが25~30㎜で出現は7~12月。

北海道、本州、四国、九州に分布しています。基本的な色は茶褐色で、他に灰色、黄色、緑色、ピンク、紫色などの色彩が知られています。

クルマバッタと比べると小型で、胸背に入る白紋が「く」の字に見えます。クルマバッタモドキの場合は同じ場所の模様が「x」です。

イボバッタとクルマバッタの見分け方

イボバッタは本州、四国、九州に分布し、地上で草の生えていない裸地や畑の地面、河川敷、地面の表れている荒地等草の少ない環境に生息していますが生息範囲は広くなく、部分的です。

 

体長はオスが18~24㎜でメスは28~35㎜です。出現時期は5~11月。成虫は7月頃から見られます。

名前の通り前胸背部に2個のイボ状の突起があるのが特徴です。

 

体色は幼虫も成虫も地面の土のような体色で見事な保護色になっています。

体色には色の濃淡や灰褐色、暗褐色、茶褐色など変異があり、班模様が入り、体の表面には微毛が生えています。

クルマバッタモドキのまとめ

バッタ類は似ている種類も多く、区別がつきにくい昆虫のひとつです。しかし私たちの身近なバッタ達はよく観察すれば肉眼でしっかりと違いが判ります。

ぜひバッタをみかけたら目を凝らして彼らを見つめてみて下さいね。

(ライター ナオ)