ヒナカマキリというカマキリを見たことがありますか?

ちっちゃいちっちゃい、まさかカマキリとは思えないほどのカマキリのミニュチュアのようなカマキリです。

 

なかなか見かけることのないカマキリですが、ちゃんと日本に生息しているんです。

今回はそんなヒナカマキリについて特徴や他のカマキリとの見分け方について詳しくお話します。

ヒナカマキリの特徴と生態

ヒナカミキリは台湾、韓国、日本では本州から奄美大島にかけて分布しているカマキリです。

照葉樹林内の林床や低い樹上に生息しています。

 

どこでも頻繁に見かける種類ではなく、神社林等あまり人手の入らない安定した環境を好むようで、活動の時間帯は深夜で集光性はないものの外套のある明るい場所に多くみられるので、光に集まってきた昆虫を捕食しにやってくると考えられます。

 

体長18~21㎜で日本最小のカマキリでぱっと見では見のがしてしまいそうになりますが、カマキリのシンボルである鎌をしっかり持っています。

褐色で濃褐色や黒色の斑紋があります。

 

メスは微翅型、台湾産のオスのみに長翅型が見られることがありますが、日本産や韓国産のオスは微翅型ですが日本の個体数は少ないのも特徴です。

肉食性で、他のカマキリには見られない敏捷性があり、ショウジョウバエの仲間などの小さい昆虫を捕食します。

 

また、特に好んでシイやタブノキの林に生息し、好地性落葉の出間を徘徊します。

越冬は長さ1㎝以下の卵の状態で行い、卵鞘の数は10個程度で一つ一つの卵を肉眼で確認することができます。

成虫は8~10月にかけて見られます。

日本のカマキリの種類

日本に歯実は8種類のカマキリが生息していると言われています。

しかし、分類が進んでいないだけで実際に生息している種類となると、もっと増えるだろうとされています。

 

現時点で分類されている8種類のカマキリは、オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリ、コカマキリ、ウスバカマキリ、ヒメカマキリ、サツマカマキリ、そして今回ご紹介しているヒナカマキリです。更に新種としてオキナワオオカマキリ屋ムネアカハラビロカマキリ、スジイリコカマキリ等が挙げられます。

ヒナカマキリとヒメカマキリの見分け方

成虫を比較した場合、ヒナカマキリは圧倒的な小ささですからオオカマキリやハラビロカマキリ、ウスバカマキリ、サツマカマキリなどと区別がつかないということはありません。

 

やや体長的に似ているのは本州、四国、球種に分布しているヒメカマキリでしょうか。

ですが、ヒメカマキリの成虫の体長は25~32㎜程ありますので、成虫の状態では区別がつきます。

 

体色は褐色型と緑色型があり、前胸は中央部が細くくびれています、後翅腿節の先端近くに小さな葉状片を持ち、主に雑木林の林内や林縁の樹上に生息しています。

ヒナカマキリと同じく動きは敏捷で飛翔することも多く、灯火にも飛来します。

 

ヒメカマキリとサツマカマキリの一種であるサツマヒメカマキリともよく似ています。

ただし出現時期がヒメカマキリは9~11月、サツマヒメカマキリは5~7月と全く重なっていないので、発生時期で区別することができます。

 

難しいのはヒナカマキリとヒメカマキリの幼虫です。

大きさも出現時期も似通っている両者の違いは頭部の上面がドーム状に丸くなっているかどうか。

丸くなっているのがヒナカマキリで頭部上面中央に突起があるのがヒメカマキリの幼虫です。

ヒナカマキリのまとめ

ヒナカマキリの体長は18~21㎜程の日本で最小のカマキリ

敏捷でショウジョウバエなどを捕食することができる

 

安定した照葉樹林の林床や低い樹上に生息している

ヒメカマキリの幼虫との区別は頭部のかたち

(ライター ナオ)