桜の季節が終わり、そろそろゴキブリたちも本格的に活動を始める頃‥‥人間が心地よい季節はゴキブリたちにとっても心地よい季節でもあるわけです。

お馴染みクロゴキブリ。あなたの家のどこかにも潜んでいるかもしれない彼らの特徴や見分け方について詳しくお話します。

クロゴキブリの特徴と生態

クロゴキブリはゴキブリ目ゴキブリ科に分類される昆虫で屋内に生息するゴキブリの代表的存在。

台湾、中国、日本では関東地方から奄美大島まで広く分布し、不衛生で湿度の高い環境に好んで生息しています。

 

原産地は中国南部であると言われ、日本には18世紀前半に南西諸島に上陸し、その後島伝いに分布を北上させたとみられています。

体長は25~30mで体は扁平、体色は黒褐色で光沢があります。

 

翅は大きく、飛ぶことができるゴキブリとして忌み嫌われています。

本州中部では一般的に5~7月に羽化、5~10月の間に何度も産卵を続けます。

 

卵鞘には22~26個の卵が入っていて、27℃では41日で孵化することがわかっています。

孵化後は300~350日をかけて成虫になるものが多く、成虫は25℃で200日前後生存します。

メスの成虫は一生のうちに20~30個の卵鞘を産みます。

 

雑食性で各種食品、木材、パルプ、皮革等幅広く食害し、腸内にいるバクテリアによって消化しています。

ただし、35℃以上の高温環境ではバクテリアが死滅してしまうので、消化機能不全になりクロゴキブリは死亡しますが耐寒性は高く、近年は今まで生息していないと言われていた北海道にもその存在が確認されています。

クロゴキブリは屋内性のゴキブリで唯一越冬可能なゴキブリなのです。

 

クロゴキブリは仲間を呼ぶ集合フェロモンを持っており、一匹いるとその周辺には30匹以上の仲間がいると言われています。

これらの個体による糞の汚染などは人体にも害をもたらし、衛生害虫として扱われます。

屋内のゴキブリの見分け方

屋内に多く出現するゴキブリはクロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリの3種類です。

以下それぞれのゴキブリの特徴とクロゴキブリの違いについて見ていきます。

 

チャバネゴキブリはクロゴキブリと違って飛ぶことができません。

体長も12㎜前後とクロゴキブリと比べるとはるかに小型で、色も茶色く成長も早いのが特徴です。

 

クロゴキブリの幼虫期間は8~11ヵ月と長いですが、チャバネゴキブリは33~70日で成虫になり、日本国内に生息するゴキブリの中では最も個体数の多いゴキブリでもあります。

 

チャバネゴキブリはクロゴキブリと違い温かい場所を好みます。

例えば新聞紙、段ボール、家電機器の中、コンセントの内部等。

ですから比較的暖房が完備されている高層マンションなどに出没することも多いようです。

 

ワモンゴキブリはアフリカ原産のゴキブリで、日本では西日本を中心に生息しています。

体長は40㎜以上になり屋内性のゴキブリの中では最も大型です。

体色は光沢のある褐色で前胸背板に黄白色の輪紋があることが名前の由来にもなっています。

 

クロゴキブリとの違いは一目瞭然で、大きさ、色が違います。

生息場所は暖房設備のあるビルやレストラン、地下街、病院などで下水道のマンホールやごみ処理場、水洗便所の腐敗槽などにも生息しています。

基本的に20℃以下の所では生きていけません。クロゴキブリとは見た目も生息環境も違うということになります。

クロゴキブリとゲンゴロウの違い

虫嫌いな人にとっては水生昆虫であるゲンゴロウもゴキブリに見えるという人もいます。

確かに見た目は似ているところもありますが、生息域が全く違うので実際の生活で見間違えることはほとんどありません。

(ライター ナオ)