カミキリムシと言えば、「髪切り」が名前の由来になっているように、鋭く強い顎が特徴です。

しかしその中でも、まるでクワガタかと勘違いしてしまいそうなほど、顎が大きく発達している種類がいます。

 

それが「オオキバウスバカミキリ」。

オオキバウスバカミキリとは一体どんな昆虫なのか、その特徴や飼育方法などについて見ていきましょう。

オオキバウスバカミキリの特徴

オオキバウスバカミキリは、体長が10~15㎝にもなるかなり大型のカミキリムシで、大きいものでは17㎝を超えるとも言われています。

カミキリムシの中で最大の大きさを誇る「タイタンオオウスバカミキリ」(最大で20㎝)に次いで、大きな種となります。

 

体格は個体差が大きいとは言うものの、私たちの身近で見かけるカミキリムシに比べれば、桁違いの大きさですね。

国内に生息する最大級のカミキリムシは、大きいと言っても6㎝ほどですから、オオキバウスバカミキリがどれほど大きいのかがよくわかります。

 

そしてオオキバウスバカミキリ最大の特徴は、何と言ってもその大きな「顎」。

大きな個体ほど顎も大きくなると言われており、最大級の大きさの個体では、顎の長さが体長の3分の1ほどもあるそうです。

 

そのくらいになると、ぱっと見は完全にクワガタの仲間って感じですね。

頭部がやや扁平で、顎が前向きに位置しているのも特徴。

 

オスに比べてメスの顎は短めですが、それでも他のカミキリムシに比べると群を抜いて長いです。

オオキバウスバカミキリの体色は褐色で、前翅には樹皮のような模様があり、これが保護色になっているのではと考えられています。

 

単体で見ればわりと特徴的な模様ではありますが、薄日の差す程度のジャングルでは、かなり見つけにくそうですね。

また、カミキリムシの特徴とも言える触角は、比較的短め。

オオキバウスバカミキリの生息地

オオキバウスバカミキリは南アメリカ大陸のアマゾン川周辺に生息しています。

残念ながら、日本国内には生息していません。

まだ謎の多い種であり、詳しい生息地に関してもあまり解明されていないのが現状です。

恐るべき顎の力

オオキバウスバカミキリの大きな顎は、見た目通りかなりの力があります。

人間が噛まれると出血は免れず、かなりの痛みを伴うでしょう。

 

小枝程度ならこの顎で切り落とすことができると言われているので、その力がどれほどのものかは、実際に噛まれなくても容易に想像がつきますね。

皮膚の柔らかい人は特に、ザックリやられてしまいそう…。

もしも触ったりする場合は、取り扱いにかなりの注意が必要です。

オオキバウスバカミキリの飼育について

オオキバウスバカミキリは、飼育以前に捕獲することすら容易ではない昆虫です。

アマゾンという人の踏み入りにくい場所に生息している上に、個体数自体が少ないと言われているからです。

 

採集方法や場所についても、基本的には「伐採した木についていた」「近くを飛行していた」「灯火に寄ってきた」など、偶然の産物である場合がほとんどのようです。

幼虫はまれに、倒木の中から発見されることがあるそうですが…。

 

というわけで、国内で手に入れて飼育…というのは、かなり困難なのではないでしょうか。

標本ですら、数千~数万円で取引されているので、もし購入できるとなった場合でも、かなりの高額になることは間違いありません。

オオキバウスバカミキリについてのまとめ 

オオキバウスバカミキリは、その名の通りとても大きな顎を持ったカミキリムシです。

体長もカミキリムシの中で2番目に大きく、その顎の力は強大。

 

噛まれると危険なので、取り扱う際には細心の注意が必要です。

国内で手に入れることは難しいので、実物を見てみたいという人は現地まで足を運んでみてください!

それでも、遭遇できる確率はとても低そうですが…。

(ライター もんぷち)