古代エジプトでは王族や神の象徴として崇められていた「エジプトコブラ」。

有名なファラオ、ツタンカーメンのマスクにもその姿が見られます。

 

しかしエジプトコブラは、神聖なものであると同時に、命を奪う毒ヘビとしても恐れられていました。

今回はそんなエジプトコブラの生態や毒の強さについて、詳しく見ていきましょう。

エジプトコブラってどんなヘビ?

エジプトコブラは、コブラ科フードコブラ属に属するヘビであり、正式名称は「アスプコブラ」と言います。

古い文献などではエジプトコブラと記載されていることが多いようですが…。

 

そして名前に「エジプト」とついていますが、エジプトだけではなくアフリカ大陸の広い範囲に生息しています。

全長は1.5~2mほど、大きいものでは3mを超える比較的大型のヘビで、フードコブラ属ではかなり大きな部類に入ります。

 

威嚇をする際にはフードを広げて身体を立ち上げるので、かなり威圧感がありそうですね。

相手が威嚇でひるまない場合は、死んだふりをすることもあるんだとか。

その姿はちょっと見てみたい気もしますが…実際に遭遇したら万が一のことを考えて「逃げる」一択ですね。

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生息域は、サバンナや半砂漠、または乾燥した森林など。

日中は巣穴や岩のすき間などで休んでいるので遭遇することは少ないですが、夜になると餌を求めて動き出します。

農耕地やオアシスなどの近くに出没することも多いため、人間との遭遇率はそれなりに高い種類と言えるでしょう。

 

基本的に水棲ではありませんが、泳ぐこともできるそうです。

上でも少し触れたように、エジプトコブラは古代エジプトにおいて、神聖なものとして崇められていました。

 

もちろん毒ヘビとして恐れられてもいましたが、農作物を荒らすネズミを食べてくれる守り神的な存在でもあったのです。

強く、それでいて自分たちの生活に潤いをもたらしてくれるエジプトコブラは、古代の人々にとってとても神々しい姿に映ったのかもしれません。

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エジプトコブラの毒について

エジプトコブラは見た目からして強そうですが、見た目に違わずかなり強力な毒を持っています。

その毒は神経毒であり、噛まれると15分ほどで身体に麻痺の症状が表れ、最悪の場合は呼吸困難や心臓麻痺を起こして死に至ります。

 

毒性の強さもさることながら、恐ろしいのは注入量。

毒性だけならば他にも強力なヘビはたくさんいるのですが、エジプトコブラは体が大きい分、その注入量も多いのです。

 

一説では、クレオパトラはこのエジプトコブラを使って、自決をしたとも言われています。

(死因については諸説ありますが、腕(または胸)を噛ませて自決したんだとか。)

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クレオパトラは派手で演出好きな一面があったということですから、王族や神の象徴であるエジプトコブラを自決に使ったというのは、なんだかしっくりきますね。

しかし自決する予定のない人は、エジプトコブラに噛まれたらすぐに病院へ行って治療しなくてはなりません!

 

幸いにもエジプトコブラには血清があり、すぐに治療を受けることができれば、死亡する可能性は低いです。

現在では生息数自体も減少傾向にあり、噛まれる被害も減少しているんだとか。

しかしだからと言って油断せずに、もしもアフリカへ行く際には十分に注意してくださいね。

エジプトコブラについてのまとめ

古代エジプトでは信仰の対象となっていたエジプトコブラ。

強く美しいその姿には、農業など関係ない現代人でも惹かれるものがあります。

 

残念ながら国内で飼育するのはほぼ不可能でしょうが(許可がまず下りないでしょう…)、欧米などではペットとして飼育している人も多いようです。

近所に住む人は戦々恐々でしょうが、一度は飼ってみたいと憧れる気持ちもわかりますね。

(ライター もんぷち)

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