亀は万年というように、悠久の時を感じさせてくれる亀。

忙しい現代人の心にそっと寄り添ってくれるような存在の亀はペットとしてとても人気があります。

硬い甲羅で身を守りながら、円らな瞳で懐いてくる人気の亀たちをまとめてみました。

オオアタマヒメニオイガメ

オオアタマヒメニオイガメは頭が大きくペットとしての存在感抜群のカメです。

 

アメリカ合衆国フロリダ半島中東部以北およびジョージア州に分布し、流れの緩やかな河川や水路、池沼、湿地などに生息しています。

成体の平均的大きさは12~13㎝で最大で13.5㎝。

頭は大きいのですが体は比較的小さく、小型のカメといえるでしょう。しかし、性格は荒く、特に繁殖期のオスは凶暴になります。

何かを敵と感じると体から臭い匂いを発することもあります。

飼育、繁殖共に比較的容易で成体は細かい温度管理などしなくても長生きしますが繁殖し幼体などを育てる時には冬季の保温が必要です。

キバラガメ

異種交配によって様々な雑種が増えているキバラガメ。

 

模様に様々な色の違いや柄の違いがあるのが魅力の一つですが基本的には背甲の地色が濃緑色からオリーブ色で各甲板に太い黄色の筋状の模様が入ります。

キバラガメはアメリカ合衆国バージニア州からフロリダ州にかけての東部一帯、メキシコなどに分布し、流れの穏やかな川や湖沼などの水辺に広く生息しています。

生まれたばかりの体長は掌サイズですが成長すると30㎝程になり、更にオスよりもメスは2倍程の大きさになると言われています。

気性の荒い個体もいますが、基本的には大人しく温厚でのんびりした性格。

飼育も比較的容易なので初心者でも簡単に世話することができますし、スキンシップも取りやすいので子供のいるご家庭にも向いています。

水質や水温の変化に弱いので暖かく清潔な水の管理が必要です。冬場は水温が20℃以下にならないように保温する必要があります。

キボシイシガメ

甲羅にまるで宇宙のような!?黄色のスポット模様が入るのが特徴のキボシイシガメ。

 

アメリカ合衆国、カナダに分布し底質が泥や粘土質で流れの緩やかな小規模な河川や池沼、沼地、湿原、湿性草原、湿地林などに生息しています。

体長はオスの最大甲長は12.2㎝、メスの最大甲長は14.3㎝でメスの方が大型ですがカメとしては15㎝未満の小型のカメといえます。

性格は比較的温厚。

飼育は容易ですが冬の温度管理と、あまり泳ぎが上手でないことからしっかりした足場を用意することがポイントになります。

またキボシイシガメの飼育の楽しみの一つにより綺麗な模様の個体を繁殖させるというものがあります。

模様は遺伝する可能性も高く、綺麗な模様の親を繁殖させて子亀を増やすのもおすすめです。

ギリシャリクガメ

何だかおしゃれな名前の持ち主のギリシャリクガメ。何となくモダンな甲羅の模様も想像出来てしまいます。

 

本来のギリシャリクガメはイタリア、フランス南東部に移入して分布しており、砂漠や乾燥した草原、荒れ地に生息しています。しかし沢山の亜種が存在していて、それらをまとめてギリシャリクガメという場合生息域はかなり広い範囲に広がります。

体長は最大で38㎝になり、中型のカメといえます。です。

種類によって買いやすいギリシャリクガメとそうでないものがいます。その違いはどれくらい低温に強いかどうか。

アラブギリシャリクガメという種類は低温を極端に嫌う個体が存在し、常に30℃以上、湿度も50~70%というのが適当で、そうなると多少管理が大変になります。

ケヅメリクガメ

竜宮城に連れて行ってくれそうな大きさのケヅメリクガメ。

エリトリア、エチオピア、スーダン、セネガル、ソマリアなどに分布し砂漠の周辺やサバンナに生息しています。

成長速度が速いことで知られ、幼亀から飼育し始めると数年後には甲長が50㎝をこえ、最終的には70~80㎝程になります。最大甲長さは83㎝。模様の違いによってモロッコタイプとガーナタイプに分けられます。

飼育にはケヅメリクガメの入る大きな水槽を準備しなければならず、温度とまた湿度の管理が必要になってくるので、初心者の方には難しいかもしれません。

昼間の気温は22~30℃、夜間は18~20℃で湿度は30~60%と昼と夜で温度差をつけるようにして乾燥した通気性の良い環境も必須です。

ケヅメリクガメの飼育方法について

ニホンイシガメ

日本人なら何となく見ただけで愛着の沸くニホンイシガメ。

日本の固有種で河川や湖沼、池、湿原、水田などに生息しますが、近年様々な社会的要因から生息数を減らしています。

幼体やオスの成体は背甲が扁平でメスの生態は背甲がややドーム状に盛り上がり幅広いのが特徴です。最大甲長さは22㎝でオスよりもメスの方が大型になり、オスは最大でも14.5㎝と言われます。

性格は他のカメに比べ臆病ですが、飼育していくうちに人にも慣れて個体を識別するほどになり愛着の沸く種類でもあります。

ペットとしての歴史は江戸時代まで遡り、野外の池などで飼育されることもありますが脱走しやすい事と水質の悪化に弱い事が難点です。

「ニホンイシガメ」の飼育について

ヘルマンリクガメ

大きな甲羅に円らな瞳が印象的なヘルマンリクガメ。程よい大きさが人気です。

南フランス、イタリア、スペイン、トルコ、ギリシャなどに分布し地中海性気候の標高1500m以下にある乾燥下常緑広葉樹林や周辺の草原、落葉広葉樹林、灌木林、の高地などに生息しています。

体長は15~22㎝程度、最大で35㎝で背甲はドーム状に盛り上がります。

丈夫で性格も良く、初心者でも飼いやすいリクガメですが発情期のオスは他の個体に噛みつくこともあります。

比較的寒さに強いので飼育での温度管理はそれほど神経質になる必要はありませんが昼間は25~28℃、夜間は18~20℃前後に保ち、ホットスポットを設け、毎日こまめに水を取り替えるようにしましょう。

「ヘルマンリクガメ」がかわいいと話題!

ホシガメ

まるで花のような、星のような甲羅の模様が何ともオシャレな亀。

 

ホシガメはインドホシガメと呼ばれインド南東部、西部、摺りランク、パキスタン南東部に分布しサバンナや藪地、ステップや熱帯雨林などに生息しています。

最大甲長は38.1㎝程で体重も7kgにも達した例があり、他のカメと同じようにオスよりもメスの方が大型になります。オスの甲長さは20㎝を超えることは稀。

性格は温厚で大人しく、人懐っこい性格ですが慣れるまでは少し時間がかかります。

ホシガメの飼育は難しく、リクガメの中でも難易度は高いと言えます。

寒さにとても弱く、気温の変化敏感なので最近の日本の天候のように極端な温度変化がある環境では日々の温度管理と湿度管理が重要になってきます。

温度計、保温球、サーモスタットやペット用ヒーター、紫外線ライトは必須で、昼間は28~35℃、夜間は20でも20℃以上の温度度70~80%の湿度は必要です。

ある程度カメの飼育に慣れてから飼うようにするのがおすすめです。

ミシシッピアカミミガメ

縁日で売られているカメをすくって帰り、「こんなのどうするの!!」と怒られた懐かしい記憶は多くの人が共有できるものかもしれません。

そう、あの縁日のミドリガメが実はミシシッピアカガメです。

ミシシッピアカミミガメはアメリカ合衆国南部からメキシコ北東部の国境地帯までの多様な水域に生息しています。

特に底質が柔らかく穏やかな流れを好み、塩分への抵抗力も高いので汽水域にも進出します。日本でもアメリカから移入し全国に分布しています。

体長は28㎝程の中型のカメで、メスの方が大型になります。

性格は活発で中には気の荒い個体もいます。特に空腹時にはどん欲な姿が見られます。

飼育は容易です。日本でも野生化しているほどですが~、特に面倒な温度管理などは必要ありませんが常に水を綺麗にしておくことがポイントです。

「ミシシッピアカミミガメ」の飼育について

ミシシッピニオイガメ

北アメリカ大陸の東部に分布し緩やかな河川や湖、湿地などに生息しています。

幼体は2㎝ほどで、最大甲長は13㎝程の比較的小型のカメです。

比較的気性が荒いとされるニオイガメですがミシシッピニオイガメは温厚で人に懐き、個体を識別する能力もあると言われています。

陸地を必要とせず、比較的容易にアクアリウムで飼育できることから人気が高まりました。

水質には敏感なので水を頻繁に変える必要がありますが条件を整えると繁殖もしやすく楽しめます。

ミシシッピニオイガメの寿命ってどれくらい?

ロシアリクガメ

ロシアリクガメはアフガニスタン、イラン、ウズベキスタンなどに分布し乾燥地帯や農耕地などに生息しています。

体長は28㎝で背中の甲羅部分は扁平な中型のリクガメです。

性格は活発で愛嬌があり、人にも慣れやすく手からエサをあげることも可能ですが穴を掘るのが上手なので屋外などで飼育すると穴を掘って脱走してしまうこともあります。

気温の変化に強いうえ、臭いも少ないので飼育は比較的容易で、女性や年配の方にも人気があります。

ただし温度や質と、紫外線などの適切な管理は必要です。

ロシアリクガメの寿命ってどれくらい?

ワニガメ

まるでゴジラの世界に登場しそうなワニガメ。ゴツゴツとした甲羅と大きな口がまるで怪獣のようですがどこか愛嬌があり人気のカメ。

アメリカ合衆国の固有種で水深のある河川や三日月湖を含む湖、水路、水深のある河川の周囲にある池沼、湿原、汽水域に生息しています。

体長は120㎝、体重は100kgを超える大型のカメですが飼育下で1mを超えることは稀だとされています。

基本的には臆病な性格なので自ら攻撃を仕掛けてくるようなことはありませんが、一旦怒らせると俊敏な動きで手を引きちぎってしまうほど凶暴になります。

その力はとても強く、噛まれてしまったら抵抗することはできません。

大型で凶暴な一面を持つワニガメですから飼育は困難です。第一の条件として広い敷地が必要です。

以前はペットとしてアメリカから日本へと輸入されていましたが現在は特定生物に指定され流通量も減り、新たに飼育するには地方自治体の許可も必要になります。

「ワニガメ」の飼育について

ペットとして人気の亀のまとめ

あなたがペットにしたいと思うカメは見つかりましたでしょうか?

実際のカメの寿命は万年などというほど長いものではありませんが、カメたちと同じ空間で過ごすひと時は格別なものかもしれません。

ご参考まで。

(ライター ナオ)