皆さんはエラブウミヘビという名前のウミヘビを聞いたことがありますか?

沖縄ではハブ酒と並んで特産品として販売されているイラブー酒に漬けてある、あのヘビです。

琉球料理では貴重な食材として珍重されていたエラブウミヘビについて詳しくお話します。

エラブウミヘビの特徴

エラブウミヘビはコブラ科エラブウミヘビ属に分類されるヘビで、インド洋、東南アジア、オーストラリア北部からフィリピン、台湾、南西諸島沿岸域に生息し、海水表面温度が19℃以上の海域が分布域とされています。

 

本来は南西諸島が分布の北限とされてエラブウミヘビですが、近年は九州、四国、本州の南岸でも生息が確認されているようで、地球温暖化が要因とされています。

全長70~150㎝、胴体の断面は円形ですが尾は側片し鱗状になり、先端が丸くなっています。

 

体色は青く、幼少の頃は鮮やかな色をしていますが成長に伴い褐色味を帯びます。

背面には黒い横帯が入り、覆面で横帯は不鮮明になります。特に大型の個体では横帯がほとんど消えてしまって確認できなくなることもあります。

 

腹のウロコの幅が広いので陸上でも活動ができるようになっています。

オスよりもメスの方が体が大きいのも特徴的。

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エラブウミヘビの生態

昼夜共に活動しますが、昼間は海岸の岩場の隙間などで休んでいることが多く、加圧同時間はほぼ夜間です。

休息のために洞穴に上陸することもあります。

 

食性はベラ、スズメダイ、ギンポ等が主食で他甲殻類を捕食することもあります。

繁殖形態は卵生で海岸の岩場の陰などで1度に3から8個の卵を産み、150日ほどで孵化します。

交尾もおそらく陸上で行っているのではないかとされていて、産卵期には多くの個体が一か所で密集している様子も確認されています。

エラブウミヘビの毒性と成分

エラブウミヘビの毒はエラブトキシンと呼ばれる神経毒で、その毒はハブの70~80倍の強さと言われています。

しかし、それほど毒蛇として恐れられていないのは性質が大人しく、口が小さいので人間に積極的に噛みついてくるということがほとんどないからです。

ただし、無闇に触ったり近づいたりすると噛みついてくることもあるので注意が必要。

 

沖縄では燻製などにしてお土産品として販売する為に捕獲されることも多いエラブウミヘビですが、素手で捕獲されることも多く、咬まれれば最悪の場合は死亡する危険性があることは否めません。

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エラブウミヘビの食べ方

エラブウミヘビは滋養強壮に良いとされ、沖縄では昔から現在に至るまでとても人気のある食材です。

DHAや18種類のアミノ酸が多く含まれていて、疲労回復にもつながる効果があるアスパラギン酸藻含んでいます。

血行促進や冷え性、倦怠感の改善や打ち身、リューマチ等にも効果があるとされ、中国では不老不死の薬としての伝説も残っているほどだとか。

注意したいウミヘビ

日本に生息するウミヘビはエラブウミヘビ亜科とウミヘビ亜科の2系統に分るいできます。

両者の違いは繁殖形態で、エラブウミヘビ亜科は卵生ですがウミヘビ亜科は卵胎生で仔ヘビを母体内で孵化させて水中に生み落とします。

 

エラブウミヘビ亜科にはエラブウミヘビ、ヒロオウミヘビ、アオマダラウミヘビの3種がいて、最も見かける頻度が高いのがエラブウミヘビ、ついでヒロオウミヘビ、アオマダラウミヘビはそれほど頻繁に目にするヘビではありません。

 

ウミヘビ亜科にはクロガシラウミヘビ、イイジマウミヘビ、セグロウミヘビ、マダルミヘビ、クロボシウミヘビ、トゲウミヘビがいて、全体的にはとても毒性が強く、咬まれると非常に危険です。

 

陸上のコブラ科と同様の神経毒で世界の毒蛇ランキングでもトップ10のうち半数がウミヘビが占めると言われているほどです。

危険な場所へ行く時はポイズンリムーバーや緊急の連絡手段を常に持ち歩くようにしましょう。

(ライター ナオ)

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