カバキコマチグモというクモを知っていますか?

ちっちゃいけど強い!そんな表現がぴったりのカバキコマチグモについて詳しくお話します。

カバキコマチグモの特徴

カバキコマチグモはフクログモ科コマチグモ属に分類されるクモです。

日本では沖縄県を除く日本全国に広く分布しています。他に朝鮮半島や中国にも広く分布しています。

 

カバキは体色が黄色いことからきています。

オス・メスとも体長は10~15㎜程度でオスの方が小ぶりですが極端な差はありません。

 

脚には黒色の毛が密生し先端は黒くなっています。

黒く大きな顎を持っていることからクチグロとも呼ばれ、在来種中で最も毒が強く、国内のクモ刺咬症例の大半を占める毒グモです。

カバキコマチグモの生態

カバキコマチグモは一般的なクモの巣を作らずススキ等の大型のイネ科の植物の葉を巻いて巣にします。

まるで小さなちまきのように葉を器用に丸めます。

 

巣は脱皮や交尾などの目的別に作り変えるとされ、いわゆるクモ巣は張らずに夜間草むらを徘徊して昆虫などを捕食します。

オスはメスの巣の入り口を覆う糸を食い破って侵入し、メスの下に潜り込んで交尾します。

夏にメスは酢の中で100個前後の卵を産み、孵化するまで巣の中で卵を守ります。卵は10日ほどで孵化します。

 

生まれた子グモは1回目の脱皮が棲むと一斉に生きている母蜘蛛に取り付いて体液を吸い取ってしまいますが、そんな状況の中でも敵が近づくと相手を威嚇して追い払おうとする姿が観察されています。

 

母蜘蛛はグモに対しては抵抗せず、30分程度で命を落とし、半日程度で体液を吸いつくされてキチン質を残すのみとなります。

コマチグモ属の天敵として知られるのは寄生蜂のヤマトツツベッコウやイワタツツベッコウで彼らはカバキコマチグモの体に直接産卵します。

カバキコマチグモの刺咬症と毒

コマチグモ属は世界で約160種類が知られていますが刺咬症の原因種として知られる代表的なクモがカバキコマチグモです。

産卵・育児気に巣を守るメスは攻撃性が高くなり、不用意に巣を壊して咬まれ足り、交尾期に人家に紛れ込んだオスに噛まれることもあります。

 

このため症例は交尾期の6月から産卵期の8月に集中しています。

針でえぐられるような激痛と持続的な痛みと点状出血で重症化すると発熱、頭痛、悪心、呼吸困難、食欲減退、稀にショック症状を呈することもあります。

症状は通常2~3日間で一部2週間程続くこともあります。

 

コマチグモ属の毒素は神経毒でカバキコマチグモの持つ毒の強さはかなりのものです。

世界最強の毒蛇とされるインランドタイパンの5倍の強さを持っていると言われています。

 

ただし、幸いなことに体の大きさからみてもわかるように、その量としては微々たるもの。

獲物を麻痺させる他、カテコールアミン、セロトニンなどを含み、これが激しい痛みの原因となり、その他にもヒスタミンやスペルニンなども含まれます。

カバキコマチグモの予防と対策

カバキコマチグモは攻撃的な性格ではないので不用意な刺激を与えないことが一番ですが、咬まれる一番の要因はカバキコマチグモの巣を不用意に壊してしまった時です。

 

例えばイネ科の植物の刈り取りや、興味本位で巣の中身を除いてしまった時に注意が必要。

重症化する心配はありませんが、子供や高齢者、心臓に生涯のある方などは死に至るケースもありますので注意が必要です。

 

ちなみに、カバキコマチグモは漢字で書くと樺木小町蜘蛛。これは小野小町から採ったとされ、小野小町のように美人な黄色い蜘蛛という意味があるのだそうですが、そんな可愛らしい見た目と名前に見合わない恐ろしさを持っているということは忘れてはいけません。

(ライター ナオ )