ステーキ売り場で立派なステーキ肉についているのはラード?それとも牛脂?

牛脂とラード、混乱してしまっている人はいませんか?

今回は牛脂とラードについてのお話です。

牛脂

牛脂はウシの脂肪のことでギュウシと読みます。

特に食用に用いられる肝臓周辺の脂身をケンネ脂と呼ぶこともあります。ケンネ脂は熱に溶けやすく牛脂の融点は45~48℃ほど。

すき焼きやステーキを調理する際に鉄板に惹かれる調理脂として用いられたり、餃子やハンバーグの種に混ぜて肉汁の素としたり、カレーやラーメンなどに旨味を加える隠し味としても用いられます。

 

また、牛脂を精製した油脂はヘットと呼ばれ、食用のほか石鹸やろうそくの原料、軟膏の基剤、潤滑油等工業用原料にも使用されます。

例えば松坂牛などのブランド牛の牛脂は100gで500円程にもなり、かなり高価なものですがスーパーなどで良く見かける綺麗にカットされた牛脂はステーキに一緒についていたり、自由に持ち帰られる精製された牛脂です。

 

精製された牛脂は調理の際に全て溶けてしまいますが、精製されていない牛脂は全て溶けずに繊維が残るのが特徴。

味の違いで言うと、精製されていない牛脂の方がコクと旨味が際立っています。

ラード

ラードはブタの脂肪から精製した食用油脂のこと。

牛脂よりも融点が低く、トンカツやコロッケなどの揚げ物や炒飯、焼きそば、野菜炒めなどの炒め物の調理油として家庭用以外に業務用でも幅広く使用されます。

 

牛脂同様に様々な料理に旨味を加えるために使われ、ラードの中でも特に背中の部分を背脂と呼び、ラーメンのスープに旨味を加えるために用いられたりしています。

ラードは豚の脂100%の純正ラード、豚脂に牛脂、パーム油などを調合した調整ラードに分類されています。

ラードと牛脂の絶品料理

ラードや牛脂、特に高級牛の牛脂などを使って焼きそばや炒飯などを作るとそれだけで絶品料理に仕上がり、旨味は普通のサラダ油の何倍にもアップします。

ラードのランク付けでは九州の黒豚やスペインのイベリコ豚などから作られるラードが数あるラードの中でも高位に位置しています。

 

台湾や香港ではラードをご飯に混ぜて食べるラードご飯という家庭料理があるそうでまるで日本の卵かけご飯のような感覚でラードを味わっているのだそう。

また北米などではバター感覚でパンにラードを塗って食べていて、バターに比べ変質しにくいことがその理由だとか。

ガーリックトーストなどにラードを使うとかなりの美味しさを楽しむことができるようです。

ラードと牛脂のその他の利用

ラードや牛脂は野鳥観察の際のバードケーキに使われます。

メジロやコゲラ、シジュウカラ等が飛んできてとても喜んでついばみます。

ただし、可愛らしい野鳥だけでなくカラスにとっても牛脂やラードは大好物なのでカラスも一緒に呼んでしまうのは覚悟しなければならないようです。

牛脂とラードの長期保存

牛脂やラードを長期的に保存したい場合は冷凍保存がおすすめです。

一回に使う量ごとに小分けして冷凍保存しておくと使う時にもとても便利です。

冷凍保存しない場合、ラードの賞味期限は3か月ほど。牛脂は少し短めです。

手作りラード

ラードは実は手作りすることができます。

豚の背脂と水を使って1体1の割合で鍋に水と背脂を入れて強火で熱し、沸騰したらふつふつするくらいに火加減で1時間程煮ます。その後キッチンペーパーなどで濾したら出来上がりです。

 

温度が下がったら煮沸消毒した保存容器に移し冷蔵庫で冷やします。

脂と水分に分離したら油を取り除き、煮沸消毒した保存便に移します。

ぜひぜひ牛脂やラードを使った色々なアレンジ未体験の方はぜひチャレンジしてみて下さい。

(ライター ナオ)