かつて日本に生息していたニホンオオカミを知っていますか?

どこかクールで涼し気な目元をしている印象のあるニホンオオカミですが、今回はそんなニホンオオカミについて詳しくお話します。

ニホンオオカミの特徴

ニホンオオカミはかつて本州、四国、九州に生息していたオオカミの1亜種で既に絶滅しています。

最後に確認されたのは1905年、奈良県吉野郡小川村においてのこと。

2003年には1910年に福井城址にあった農業試験場でも見つかったという論文が発表されていますが、これは標本が現存していないので学術的には認められていません。

脊椎動物亜門、哺乳類鋼ネコ目イヌ科イヌ属に属する絶滅種で、体長は95~114㎝、尾長約30㎝、肩高約55㎝、体重推定15kgが定説。

 

他の地域のオオカミよりも小さく、中型日本犬ほどですが、中型日本犬より肢が長く、脚力も強かったとされています。

尾は背側に湾曲し、先が丸まっていて、吻は短くて日本犬のような段はありません。

耳が短いのも特徴の一つで、周囲の環境に溶け込みやすいように夏と冬では毛色が変化していたと言われています。

ニホンオオカミの生態

ニホンオオカミの生態については正確な資料が残されておらず、正確なことはあまりわかっていないというのが実状。

薄明薄暮性で北海道に生息していたエゾオオカミと違って大規模な群れを作らずに、2、3~10頭程度の群れで行動していました。

主にニホンジカを獲物としていましたが、人里に出現し飼い犬や馬を襲うこともあり、特にウマの生産が盛んであった岩手県の盛岡などでは被害が多かったと伝えられています。

ススキ野原などに巣穴を作り、そこで3頭ほどの子供を産み、テリトリーに入ってきた人間には後ろについてまわる習性があり、大きな声で遠吠えをすることもあったようです。

ニホンオオカミと人間の関係

縄文時代はイヌを家畜として飼う習慣があり、そのころの犬は縄文犬と呼ばれていますが、これはニホンオオカミを家畜化したものではないとされています。

この時代、ニホンオオカミの遺体を加工した装身具が存在していて、千葉県の庚塚遺跡からは縄文前期の上顎犬歯製の牙製垂飾りが出土しています。

 

ニホンオオカミは山間の家屋に侵入して人を襲ったりしていた一方で、神社などに祀られ神聖化されていました。また、魔除けは憑き物落とし、獣害除けなどの霊験を持つオオカミ信仰も存在しています。

ニホンオオカミは何故絶滅したのか

ニホンオオカミの絶滅の原因についてははっきりと確定指定はいませんが、狂犬病や家畜伝染病の流行と人間による駆除、開発による餌資源の減少や生息地の分断等が要因として考えられると言われています。

 

江戸時代の1732年頃にはニホンオオカミの間で狂犬病が流行し、オオカミによる襲撃の増加が駆除に拍車をかけたともいわれています。

また、江戸時代後期から明治初期にはオオカミ信仰が流行した時期でもあり、それにオオカミの頭蓋骨などの遺骸が用いられる為オオカミ遺骸の需要の増加によって捕殺に拍車がかかったともいわれています。

消えないニホンオオカミ生存の噂

絶滅したとされているニホンオオカミですが、実は未だ生存しているという噂は全国のあちこちにあり、目撃情報や酷似した動物の撮影などは時折行われています。

しかし、確実な情報はなく、一応は絶滅したということになっているようです。

ニホンオオカミがいなくなって起こったこと

ニホンオオカミが絶滅したことによって、ニホンオオカミが天敵だったイノシシ、ニホンジカ、ニホンザルなどの野生動物は大繁殖することとなりました。

 

これらの動物は人間の生存域にまで進出し、農家物にとどまらず森林や生態系にまで大きな被害を与えるようになり、アメリカの例に倣いシベリアオオカミを日本に再導入し対応するという計画が立案されたこともあったようですが、シベリアオオカミはニホンオオカミに比べて大型で体力が強いので、野生化した時の弊害が指摘され中止になりました。

 

しかし、未だにニホンオオカミに近い中国のオオカミを日本に導入するという計画がったり、近年はクローン技術によってニホンオオカミを復元しようという話が持ち上がったりもしているのだそうです。

(ライター ナオ)