深海には変わった見た目の生き物がたくさんいますが、そんな中から今回ピックアップするのは「コンゴウアナゴ」について。

うねうねとした黒い体に加え、「腐肉食性」というところが、より気持ち悪さを倍増させます。

 

しかしどんなに気持ち悪い見た目だろうと、アナゴはアナゴ。

美味しく食べることはできるのでしょうか?

(そもそも、普通のアナゴだって見た目は結構気持ち悪いですよね…)

そんなコンゴウアナゴの生態、そして食材としての利用について、まとめていきたいと思います。

コンゴウアナゴってどんな魚?

コンゴウアナゴは、水深500~1800mの深海に棲んでいる深海魚です。

生息域は、日本近海や太平洋西部、南アフリカ沖、大西洋など。

 

体色は黒や褐色ですが、名前が「金剛穴子」なのはなぜなのか…。

それは、中には金色をした個体もいるから、だそうですよ。

(真偽のほどは不明。)

 

大きさは最大で60㎝ほどで、アナゴやウナギと同じく円筒状の細長い身体で、体表はぬるぬるとした粘液に覆われています。

まぁ見た目だけに関して言えば、他のアナゴなどと比べて段違いに気持ちが悪い!というわけでもありません。

 

コンゴウアナゴが気持ち悪いと言われるのは、その食性も一つの理由。

コンゴウアナゴは「腐肉食性」であり、死骸や弱った生き物を主な餌としています。

 

獲物が少ない(捕えづらい)深海では、逃げたりしない死骸は貴重なごちそうですからね。

有機物を食べて分解するという点では、「海の掃除屋」として非常に重要な働きをしているのですが。

 

やはり、死骸に群がるコンゴウアナゴの大群は、ビジュアル的に気持ちのいいものではないですね…。

それに加えてコンゴウアナゴには獲物の体内に潜り込んだりもする性質もあるため死骸の体内から発見されることが多く、かつては寄生性の魚なのではと思われていたそうです。

(エラや肛門などから侵入するようです。)

 

確かに、動物や魚の死骸からこんな魚がウネウネと出てきたら、「うわ、寄生虫か!?」とビックリしますよね。

ただ、100%腐肉ばかりを食べているのではなく、無脊椎動物も食べているんだとか。

コンゴウアナゴって食べられる?

見た目や生態こそちょっと気持ちの悪いコンゴウアナゴですが、「見た目が悪いものほど美味しい」ということもありますし、実際に食べられるのかどうかが気になるところですね。

 

一般的に食用とされている「マアナゴ」などとはちょっと分類も違うようですが、果たして食用にできるのでしょうか?

じつはコンゴウアナゴの食用について、調べてもほとんど情報が出てこなかったんですよね…。

 

やはり一般的に流通するような魚ではないということです。

そもそもコンゴウアナゴ事態を狙って漁をすることはないようですし、漁師さんたちも釣れたらその場で捨ててしまうことが多いようで…。

 

深海魚なので、「釣りに行ったら偶然釣れたから食べてみよう!」なんて機会もほとんどないでしょうし。

ただ実際にコンゴウアナゴを食べたことがある人によると、皮は厚くて硬いが味はそれほど悪くない、ということだそうです。

 

お惣菜やお弁当にコンゴウアナゴが原材料として使われていた、ということもあるようなので、一般的ではないけれど食べられる魚、という感じの位置づけでしょうか。

手に入れることは難しいでしょうが、興味がある人はぜひ食べてみてください。

コンゴウアナゴについてのまとめ

見た目も生態もちょっと気持ち悪いコンゴウアナゴ。

一般的にはほとんど流通していないけれど、食用としても食べられることがわかりました。

 

もし機会があれば、どんな味なのか、一度は食べてみたいですね。

ただ、どうやって手に入れるかが問題ですが…。

(ライター もんぷち)