鼻が曲がりそうなほど強烈なにおいを発するカメムシ。

あの独特なにおいは、簡単に言葉では表現することができません。

 

しかし私はある食材を食べた時に、「あれ、ちょっとこれカメムシのにおいみたい…」と思ったことがあります。

その食材の正体は、「コリアンダー」。

カメムシとコリアンダーに何か共通点があるようには思えませんが、においが似ているのには何か理由があるはずです。

今回はそんな謎を追求すべく、カメムシとコリアンダーのにおいについて徹底的に調べてみました!

コリアンダーとカメムシのにおい成分

コリアンダーはとても香りの強いハーブで、苦手だという人も多いですね。

私も、少量ならば食べられないこともないですが、たくさん食べるのはキツイです…。

青臭いような薬っぽいような、そんな風味が口の中一杯に広がるのが苦手。

そんなコリアンダー、和名では「カメムシ草」と呼ばれているんです!

昔の人も「これカメムシのにおいじゃん!」と思ったんでしょうね。

 

この命名には、「こんなくさいもん食べられたもんじゃない」という悪意が少なからず込められているような気がしますが…。

コリアンダーとカメムシ、両者のにおい成分には何か共通点があるのでしょうか。

コリアンダーとカメムシに共通するにおい成分、それは「デセナール」や「ヘキセナール」と言ったアルデヒド類。

 

特にヘキセナールの方は「青葉アルデヒド」とも呼ばれており、草や葉っぱなどの主なにおい成分なのです。

つまり、コリアンダーに含まれていても全然不思議ではない、ということですね。

 

嫌~なカメムシのにおいも、今度からは「これはコリアンダーの香りだ」と思い込むことで、少しは不快感が和らぐかもしれません。

しかし逆に、コリアンダーを食べる時に「これはカメムシのにおい…」と頭をよぎってしまったら…食べられなくなってしまいそうですが。

カメムシは香辛料の一種!?

コリアンダーがハーブとして美味しく食べられるなら、同じ香りのカメムシもきっと美味しく食べられるはず…?

日本人の感覚から言えば正気の沙汰ではありませんが、じつは海外ではカメムシの香りが料理に活躍しているというのです。

 

にわかには信じられませんが、例えばラオスでは香辛料とカメムシを混ぜた調味料が存在すると言います。

もちろん、カメムシ単体でも焼いたり生で食べたりするそう。

通の間では「臭ければ臭いほどいい」と言われているんだとか…。

 

また、メキシコでは香辛料代わりにタコスに挟んで食べたりするそうです。

昆虫食自体、意見がかなり分かれる(というか大部分の人が否定的)ものではありますが、その中でもカメムシはトップレベルで「食べたくない」昆虫でしょう。

あのにおいが口いっぱいに広がると考えただけで、食欲がなくなりそうです…。

 

日本人にとっては、信じられない暴挙とすら言えるカメムシ食。

しかしこういうのは、その国の文化や風習が大きく関係しますよね。

例えば日本では高級品としてもてはやされて「とても良い香りだ」と言われている松茸も、海外では単に「くさいキノコ」という認識ですから。

 

海外の人にとって松茸のにおいは、「蒸れた革靴のにおい」や「お風呂に入っていない人のにおい」に感じるらしく。

とてもじゃないけれど、口に入れて香りを楽しもうなんてものではないようです。

 

やはり慣れや生まれつきの風習などが大きく関わってくるのでしょう。

コリアンダーの香りが大好き!いくらでも食べられる!という人は、案外カメムシも食材として受け入れられるかもしれません。

コリアンダーとカメムシのにおいについてのまとめ

最近ではコリアンダーはジワジワとブームとなり、様々な料理に使われるようになりました。

まずはコリアンダーのにおいから慣らしていけば、そのうちカメムシのにおいも平気に感じるようになるかもしれませんね。

(ライター もんぷち)