ソテツという植物をご存知でしょうか。

南国をイメージさせる植物で、実物を見たことがなくても幾度となく映像などでは目にしたことがあるかもしれません。

今回はそんなソテツについて詳しくお話します。

ソテツの特徴

ソテツは被子植物ソテツ科常緑低木でソテツ類の中で日本に自生がある唯一の種類です。

日本の九州南端、南西諸島、台湾、中国大陸南部に分布していて主に海岸近くの岩場に生育しています。

自生北限は鹿児島県の薩摩・大隅半島南端。

カナリーヤシやワシントンヤシなどともに九州南部・軟性諸島の南国ムードを強調するための演出として映像素材に用いられることが多く、九州南部・軟性諸島の主要都市には大抵植えられています。

 

ソテツという名前は枯れかかった時に鉄くぎを打ち込むと読みが得るという伝承に由来するもの。

根には珊瑚状の建立があり、藍藻類を共生させています。それらが窒素固定能を持つのでやせ地でも生育できます。また、本州中部以南の各地でも冬季防寒をすることで植栽が可能です。

記念樹としてよく公園、官公庁や学校などにも植えられていて、ロータリーの真ん中などでは特によく植栽されています。

生育は遅いですが成長すれば樹高8三条にもなり、その際でも移植が可能なほどに強健で、幹は太く、たまにしか枝分かれせず、細い枝はありません。

幹の表面は一面に葉痕で埋まっていて、葉はその先端に輪生状について全体としては幹の先に杯状の葉の集団をつけます。

 

葉は多数の綿状の小葉からなる羽状複葉で葉先は鋭く尖っていて、刺さると痛いほどです。

雌雄は異株で雄花は幹と同じくらいの太さの松かさを伸ばしています。

 

幹の先端に乗せたような形で松傘の鱗片にあたるものの裏一面に葯がついています。

雌花は茎の先端に丸くドーム状に膨らんでいて、雌しべをここに見ると上半分は羽状複葉の葉が縮んだ形をしていて、下半分の軸には左右に胚株が並んでいます。

 

種子は成熟すると朱色に色づきます。

この種子は日本国外へも輸出され、主な出荷先は台湾、中米コスタリカ等。

値段は幹の長さで決まり、大島紬の泥染めではソマリが悪いとソテツの葉を入れて化学的作用を強くする場合もあります。

食用としてのソテツと毒性

ソテツは日本の軟性諸島の島嶼域では中世から近代まで食用にされてきました。

ソテツは有毒で発がん性物質のアゾキシメタンを含む配糖体であるサイカシンを種子を含めて全草に有し、サイカシンは摂取後に人体内でホルムアルデヒドに変化して急性中毒症状を起こします。

 

しかし一方でソテツには澱粉も多く含まれ、幹の皮を剥ぎ、時間をかけて十分に水にさらして発酵させ乾燥するなどの処理を経てサイカシンを除去すれば食べることもできます。

鹿児島県や奄美群島、沖縄県では佐護ヤシのようにソテツの幹から澱粉を取り出して食用とする伝統もあります。

 

種子から採った癜風を加工してソテツ餅も作られ、毒抜きとして微生物による解毒作用を利用して無毒化されたソテツ味噌が生産されてもいます。

しかし、ソテツ澱粉を水にさらす時間が不十分だったり、長期間にわたって食用すると体内に毒素が蓄積されることもあり、グアム島などでは神経難病が見られることもあるので素人が安易に試して食酢の葉避ける方が良いでしょう。

薬としてのソテツ

中国では漢方薬として葉、種子、茎、花、根が薬用になると考えられています。

葉には止血・解毒・止痛の効果があるとされ、胃薬や血止めの薬にされますが種子は男性昨日増進や腰痛、内見などに使われる場合もあります。

根や花には血行を良くする効果があり、根には腎臓機能を高める効果があるとも言われています。