カマキリは昆虫界で最強の肉食昆虫だともいわれます。

ボクシングの選手のように鎌を胸のところに引き寄せて、間合いをはかるように体を左右に揺り動かしながら獲物を狙う姿には、風格さえ備わっているように感じませんか。

そんなハンターカマキリのもつ凶器、鎌に注目します。

昆虫界の名ハンター

カマキリの体は、ハンティングに適した構造をしています。

凶器である鎌のような前足を拡大してみると、鋭いトゲトゲがたくさん並んでいます。

三角形をした頭には、獲物を探すための視野の広い大きな目がついています。

目の前で動く獲物を見つけるやいなや、前足の鎌が一気に伸びて獲物をとらえます。

 

獲物を捕らえるスピードは0.05秒、カマキリの鎌を人間がもっているとしたら破壊力は3トンになるともいわれます。

カマキリは、昆虫界で一番のヒットマンといえるでしょう。

カマキリの凶器の鎌は前脚

ところで、カマキリの鎌は、前脚です。カマキリは昆虫なので6本の脚をもっています。

そのうちの前の2本が鎌のような形状になっていますが、脚にはかわりなく、ハントする以外には、歩いたり、枝に登ったりするときにも使われているのです。

カマキリの前脚の構造

では、カマキリの鎌といわれる前脚の構造を細かくみていきます。

カマキリの前足は、胴体からのびている「腿節(たいせつ)」、さらに「脛節(けいせつ)」、その先端の「符節(ふせつ)」でできています。

鎌といわれる部分は、腿節と脛節です。両方とも内側にはサメの口の中の歯のように鋭く尖ったギザギザした突起が並んでいます。その腿節と脛節のギザギザで獲物をしっかりとはさみこむのです。

 

さらにカマキリの前足をよく観察すると、鎌の働きをする腿節と脛節のさきにも前脚がのびています。

それが「符節(ふせつ)」で、関節でつながっているので自由に動き、先端には爪がついており、着地するための膨らみもついています。

 

この爪や膨らみの働きにより、ツルツルした面ものぼることができます。

カマキリは鎌で獲物をはさんでいても、符節の部分は動かせるので歩いたり登ったりするができるのです。

カマキリの鎌の切れ味

こどものころにカマキリをつかもうとして、痛い思いをしたことはないでしょうか。

カマキリの鎌の切れ味はどれほどかということが気になりますが、そもそもカマキリの鎌は、鋭いギザギザの突起でしっかりと抑え込むものであって、切るものではありません。

 

なので、カマキリの鎌に攻撃されたときは、切れるというよりは、ギザギザにしっかりと押さえ込まれて痛いのであり、血がでるということはまれです。

むしろ頑丈な顎で食いつかれるほうが、痛みが強いかもしれません。

カマキリをつかむときには、しっかりと背中の部分をつかむようにしましょう。

カマキリの鎌のお手入れ

カマキリは獲物を仕留めて食べた後に、鎌の部分をなめているのが目撃されています。

カマキリの鎌のトゲトゲ部分にたまっているゴミや獲物の体液で汚れた部分を丁寧になめてメンテナンスしているのではないかといわれています。

鎌の部分以外にも、体のあちこちを口でなめて掃除をするそうです。

まとめ

カマキリが鎌を胸に引き寄せてじっとしている姿は、ファイティングポーズとも見えますが、何かに祈りを捧げているようにも見えます。

そのためカマキリは「拝み虫」という別名をもっています。

さらに、自分の力量もわきまえずに強敵に挑むという「蟷螂の斧」という故事成語も生まれました。

カマキリのファイティングポーズ、はったりをかましている姿ともいえるのかもしれませんが、筆者には何かを深く考えている崇高な姿にもみえます。

このごろはめったにみかけなくなったので、この夏にはどこかでカマキリに出会って、大きな目にみつめられたいと思いました。

(ライター sensyu-k)