にょきにょきと面白いように伸びるたけのこ。

その独特の食感と美味しさで春を感じることも多いもの。

山菜でもあるたけのこについて詳しくお話します。

たけのこの特徴

たけのこはイネ科タケ亜科タケの若芽を指し、中国や日本などで食材として利用されています。

タケの地下茎は節ごとに根と芽を備え、主に3~4年目の芽が温帯では春先に、熱帯では夏に伸長を始めます。

たけのこの旬の季節

たけのこは2月頃から出回りはじめ5月頃までがシーズンです。

最も出荷量が多い4~5月が旬で、春の風物詩にもなっています。採ってから時間が経つほどにアクが強くなるので、出来るだけ早く調理すると美味しく食べられます。

たけのこ生産

日本では古来より京都府日向市や長岡京市。大山崎町が名産地として有名でした。

大阪市内の高級料亭では大阪府貝塚市木積地区生産のものも珍重されています。

 

生産量が最も多いのは福岡県で、ついで鹿児島県、熊本県で全体の生産量の7割をこの3県で占めていて、京都のたけのこは生産量の1割程。

その1割のたけのこはブランドにもなっていて、最高級のものは白子と呼ばれ、柔らかくえぐみが少なく独特の風味と歯触りの良さが特徴です。

 

京都式軟化栽培法という独自の栽培方法で作れ、秋から冬にかけては敷き藁や土入れ、助走の作業が重要で、これらを繰り返し行い、柔らかな土壌を作ることで良質なたけのこが採れるというわけ。

特に朝一番で掘り上げられたたけのこの風味と柔らかさは絶品で京都のおばんざい屋さんなどでも春になると丁寧に調理されたたけのこ料理が並びます。

たけのこの成長速度

たけのこが地表に顔を出した頃には数㎝程度だったものが10日頃には数㎝から時には1mを超える程大きく成長し、蔓性を除く被子植物のうち最も成長が速いとされています。

たけのこにうっかり帽子をかけたままにしておくと、1日立った時に取ることが出来なくなっているとも言われています。

 

たけのこは地中にあるうちに節が全て形成され、根に近い節から順に伸長していきます。

節の数については同じ地下茎なら皆同じとの調査結果があります。

 

固いたけのこの皮は柔らかい本体を保護する目的だけでなく節の成長を助ける役割を持っているので若竹の皮を摂るとその節の成長は止まってしまいます。

地上に出てから間もなく成長が止まるくさりたけのこと呼ばれる現象もあり、その数は全体の半数から7割に達します。

たけのこの種類

たけのこの種類の代表的なものは中国から伝えられたモウソウチクで、ハチクとマダケも良く知られています。

 

モウソウチクは皮が黒斑と粗毛におおわれ、時期は3~4月、ハチクは皮が淡紅色で時期は4~5月、マダケは皮が薄い黒斑におおわれ時期は5~6月、ネマガリタケはたけのこが弓状に曲がって生え、時期は5~6月です。

黄色や黒紫色をしているカンチクの時期は10月と言われています。

たけのこの栄養成分

たけのこの姫皮部分に含まれるアスパラギン酸やチロシンは新陳代謝を活発にしてくれ老化防止に効果があると言われています。

更にチロシンは代謝をコントロールする甲状腺ホルモンの原料やドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の原料になり、脳を活性化させたり、やる気や目標を達成した時の満足感や興奮を作り出します。

 

食物繊維も多く含まれ、ゴボウや大根などの混載に次ぐ含有量を誇っています。

食物繊維は便秘を防ぎ、体の中の毒素を絡めとって排出してくれる働きがあります。これによって高コレステロールだけでなく生活習慣病にも効果があります。

カリウムも含まれ、これは利尿作用があり、高血圧やむくみ防止にも効果的です。

(ライター ナオ)