緑の中に凛と咲くカキツバタ。濃い紫色の花は思わず目をひく存在です。

今回はカキツバタについて詳しくお話します。

カキツバタの特徴

カキツバタはアヤメ科アヤメ属の植物です。

日本や朝鮮半島から東シベリアにかけてが原産になります。

カキツバタは湿地に群生し、5~6月にかけて紫色の花をつけます。

内花被片が細く直立して前面に垂れ下がった外花被片の中央部に白もしくは淡黄色の斑紋があることが特徴です。

 

江戸時代の前半にはすでに多くの品種が成立していて、古典園芸植物の1つでもありますが、同時代の後半にはハナショウブが非常に発展し、カキツバタはあまり注目されませんでした。しかし、現代になり再び品種改良がすすめられています。

カキツバタの花の季節

カキツバタの花は茎の先に青紫色の花が3輪つきます。

花の大きさは12㎝程で、花被片は6枚で、内花被片は細くて直立します。

開花の時期は5~6月です。

カキツバタと似ている花

カキツバタと似ているのはアヤメやハナショウブ。

いずれも花の時期はカキツバタと同じ5~6月ですが咲く場所や背丈などに違いがあります。

まずはよく見ると花の大きさが違っています。

 

3つの花を比べるとハナショウブが最も大輪の花を咲かせ、次がカキツバタ、そしてアヤメは小輪です。

また高さも違います。一番大きな花を咲かせるハナショウブは背丈も高く80~100㎝ほど、カキツバタは50~70㎝、アヤメは30~60㎝ほどで背丈は花の大きさに比例しています。

 

咲いている場所はカキツバタが水辺、アヤメは畑のような乾燥地、ハナショウブはその中間の畑地と湿地でも栽培できます。

そして何より近くて花を良く見ると花の形状が明らかに違います。

 

ハナショウブは花弁の根元の所に黄色い目の形の模様があり、カキツバタは花弁の弁の元に白い目が他の模様があるのが特徴です。そして、アヤメは花弁の元の所に網目状の模様があります。

カキツバタの種類

カキツバタの種類に舞孔雀という濃青色で白覆輪、中心部は白く2色咲きの優美で八重咲の花があります。

裕美とという品種は斑入り葉の品種もあります。

カキツバタの園芸種は全部で50種類程あると言われています。

カキツバタの育て方

カキツバタはポット苗を買ってきて植え付けます。真夏と真冬以外はほぼ一年中植えつけることが可能です。

株分け苗は開花直後に植え付けることになります。

土は一般的な草花向けの培養土が利用でき、植えつける時には肥料分があまりない方が根付きがよくなります。

しっかりと根付いてから肥料を施すようにしましょう。

カキツバタはアヤメ科の中でも最も水を好む植物ですので、日当たりの良い水辺の環境が適しています。

 

水深は5~15㎝ほどで、一年中乾かさないようにすることが大切です。

冬期は水が凍手も構いませんが、夏の高温期は水温が上がりすぎないように注意が必要です。

水やりは鉢植えの場合、初めから水をためた容器に沈めておきます。株元まで水に浸かるようにしておき、水野汚れ具合をみて月に1回程度は水を入れ替えます。

 

秋に涼しくなったら緩効性の固形肥料を株元に埋めます。

病害虫はほとんど見られないのですが、メイガ類の幼虫が茎の中に入ることがあるので注意しましょう。

花がらはしっかりと切り取るようにします。

カキツバタのまとめ

カキツバタは鮮やかな紫色が綺麗な多年草の花です。アヤメやハナショウブと一見区別がつきにくい花でもありますが、それぞれの特徴はよく見ると明確です。

栽培も比較的簡単ですが、水切れには注意が必要です。

ちなみに花言葉は幸運が必ず来る、幸せはあなたのもの、贈り物、音信等があります。

(ライター ナオ)