ラナンキュラスという花をご存知でしょうか?

園芸店などで一度は目にしたことがあるだろうラナンキュラス。

今回はそんなラナンキュラスのお話です。

ラナンキュラスの特徴

ラナンキュラスはキンポウゲ属に分類されるハナキンポウゲやハイキンポウゲのこと。

キンポウゲ科キンポウゲ属の半耐寒性多年草です。

西アジアからヨーロッパ島南部、地中海沿岸原産で園芸ではラナンキュラスと呼ばれることの苞が圧倒的に多く、ハナキンポウゲと呼ばれるのは非常に稀です。

原産地では湿地に自生する多年草。

 

ラナンキュラスという属名の名前は葉の形がカエルの足に似ていることから付けられています。

十字軍がヨーロッパに持ち帰り、改良を加えて園芸用品種が作られ、イギリスでは18世紀を中心にフローリストたちによって育種が進み、盛んに栽培されました。

1777年の文献では1100品種がリストアップされていて、現代の系統は主にオランダで育成されたものです。

ラナンキュラスの花の季節

ラナンキュラスの花は3月下旬から5月下旬にかけてです。

紙のように薄い花びらが幾重にも重なった姿が美しいのが特徴です。

ラナンキュラスの種類

ラナンキュラスは近年、切り花用の品種を中心ン位改良が急激に進んで、花色だけでなく花形も変化にとんだ品種、香りのよい品種が登場しています

園芸用の品種はビクトリアストレイン系、ドリーマー系、ドワーフ系、ワンダーランド系などに分けられ、それぞれに特徴があります。

ビクトリアストレイン系は巨大輪万重咲で育てやすく、一般的な系統。ドリーマー系はオールドローズのような形の巨大輪で草丈25㎝程度の矮性種です。

ラナンキュラスの育て方

ラナンキュラスは市販の球根を買ってきたり、掘り上げて貯蔵した球根をそのまま植えつけると急激に給水して球根が腐ってしまう恐れがあるので、植え付け前に吸水処理が必要です。

軽く湿らせたバーミキュライトに球根を埋め、冷蔵庫で1週間程吸水させてから浅く植えるようにします。

苗を入手した場合は根鉢を崩さずに植え付けましょう。

葉がすべて枯れたら掘り上げて陰干しし、秋の植え付けまで日陰で乾燥保存します。

 

植えつけは水はけの良い、有機質に富んだ用土が適しています。

酸性土を嫌うので、赤玉土小粒5に対して腐葉土3、酸度調整済みピートモス2の割合の配合土などに有機石灰を1L当たり3g、リン酸分の多い緩効性化成肥料を1l当たり5g混ぜ込みます。

 

球根の植え付けは湿らせた土に植え付け、4~5日後からは用土の表面が乾いたらたっぷり与えます。

開花中にも同様に水を与え、5月下旬に葉が黄色く変色してきたら乾かし気味に管理してすべての葉が黄色になったら水やりを止めて完全に乾かします。

 

北風の当たらない日向で管理、1~2月は防寒すると良いでしょう。

冬期に開花株を入手したら、軒先など霜の当たらない場所で管理、春暖かくなると草丈が高くなりハモ茂るので風通しをよくして蒸れないようにし、開花中は飴に当てないようにすると花を長く楽しめます。

 

酸性土壌を嫌うので、庭上にする場合は植え付け場所にあらかじめ有機石灰か苦土石灰を混ぜておきます。

水やりは植え付けの時に湿った土に植え付けたら、後は土の表面が乾いたときにたっぷりと与えるようにします。

 

開花中も同様に水を与え、5月下旬になり葉が黄色く変色してきたら乾かし気味に管理し、すべての葉が黄色になったら水やりを止めて完全に乾かすようにします。

気を付ける病害虫は灰色カビ病とアブラムシ、ハモグリバエです。

 

灰色カビ病の予防には開花中の咲き終わった花がらを細目に取り除くようにすることが大切です。

アブラムシや10~5月、ハモグリバエは3~5月まで発生します。葉に落書きのような白い筋がついたら幼虫が筋の先端に入るので、葉の上から潰すようにしましょう。

(ライター ナオ)