皆さんは、まりもという生き物をご存知ですか?

ちょっと前に「まりもっこり」なんてゆるキャラが登場したような…。

今回は、そんな「まりも」の寿命についてご紹介いたします。

まりもってどんな生き物?

まりもは、淡水性の藻です。漢字では、『毬藻』と表記され、毬のように丸いことが由来とされています。

阿寒湖に生育する種類のまりもは美しい球状体の為、日本の特別天然記念物に指定されています。(3月29日はまりもの日です)最大30cmの大きさが発見されたことがあります。まりもは、絶滅危惧種です。

まりもの生態について

まりもは、集合体です。

単位としては、まりもを構成している細い繊維(糸状体)と考えられています。

まりもは、常に球体というわけではなく大半は、球状の集合体を作ることはなく、糸状体で生活しています。

 

見た目は、柔らかそうなまりもですが、硬い藻なので触るとチクチクした感触があります。

まりもは、淡水に生息しています。中には、海水と淡水の混ざった汽水域でも生息できる種がいることがわかっています。

まりもは水に浮かないと考えられていますが、実際浮く姿が発見されており、また光合成する際に気泡(酸素)を発生させたタイミングで浮くと考えられています。

まりもの発見

1897年に札幌農学校(現:北海道大学)の教授が阿寒湖で見つけました。

阿寒湖で発見されたまりもですので、球体状でした。その為、和名を『毬藻』として制定しました。

 

北海道の阿寒湖以外では以下の場所で発見されています。北海道:釧路湿原内(シラルトロ湖・塘路湖・達古武沼)・チミケップ湖、青森県:左京沼・田面木沼・市柳沼・姉沼・内沼・小川原湖、秋田県:獅子ヶ鼻湿原、山梨県:山中湖・河口湖・西湖・精進湖・本栖湖、滋賀県:琵琶湖、富山県:タテヤママリモ。この中で球体のまりもが発見されているのが、阿寒湖と小川原湖のみとされています。

 

海外では、アイスランドのミーヴァトン湖やエストニアのオイツ湖などで球体のまりもが発見されています。

そのほか、まりもそのものはヨーロッパ北部の諸国・ロシア・アメリカなど北半球に広く分布しています。

 

北半球のまりもは、日本の湖のまりもが起源とする可能性が高いことが判明しています。

なぜそこまで広がったかと言うと、渡り鳥がまりもを食べ他の地域へと運んだことが要因と考えられています。

まりもの寿命って?

まりもは寿命という概念がありません。

当然、環境下によっては死滅し白くなったり枯れ木のような茶色に変色することはあります。

 

植物なので光合成するために、太陽光などが必要とされますが、まりもの中心部に太陽光は届きません。

届かない場合、糸状体が枯れて空洞になり壊れてしまいます。ですが、壊れても小さいマリモとなり、再び成長を続けていくそうです。

 

耐冷性と耐暗性も非常に強い特徴があり、淡水と共に凍結した場合でも-20°Cの温度で一日程度の凍結は耐えられます。

また、冷蔵庫で凍結させず数か月保管しても死滅はしません。阿寒湖は真冬になると完全結氷した状態で、60cmの厚さになる環境下で生息しているのでそういう生態であるのは間違いありません。ただし、暑さにはめっぽう弱い為に35度が限界です。夏場は冷蔵庫で保管するのが最適と考えられます。

 

水道水でも飼うことができ、綺麗かつ冷たい水の環境下であれば、何年も長生きをしてくれます。

水質汚染が個体減少の原因と考えられるので、水質が悪くなるような条件(まりも以外の生き物を混泳させるなど)しないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

まりもの寿命、まりもについて知ることができたでしょうか。

(ライター:Teyo)