世界には980種ものコウモリがいると言われていて、世界最大のコウモリと言われるオオコウモリは羽を広げるとその大きさが優に1.5mを超える大きさだと言われています。

ドラキュラの遣いとして描かれることも多いコウモリですが、コウモリはドラキュラのように皆血を吸うのでしょうか?

気になるコウモリの種類について詳しくお話します。

コウモリの生態

私たちがコウモリと言っているのはコウモリ目に属する動物の総称。

コウモリは極地やツンドラ、高山、大洋上の島々を除く全ての地域に生息しています。

前肢が翼になり、鳥など羽毛の生えた毛と違って飛膜と呼ばれる伸縮性のある膜で覆われています。

哺乳類では他にムササビ、モモンガ、ヒヨケザルなどが飛膜を持っていますが、鳥類に匹敵するほどの飛行能力を持っていると言われています。

 

前肢は親指が離れたところにあり、それ以外の指は細長く伸びる形状をしています。

飛膜は人指し指以降の指の間から後肢の足首までを結んでいて、腕と指の曲げ伸ばしで自由に開閉することが出来ます。

 

後ろ足は弱く、立つことが出来ないため、休むときには天井からぶら下がるように休みます。

排泄の時などは前脚の親指の爪をひっかけて用をたします。

 

コウモリは大きく分けてオオコウモリとコウモリの2つに分けることが出来ますが、このうちオオコウモリは植物性で果実などを好み、農業被害が報告されている人間にとってはちょっと困った存在です。

 

一方コウモリの方は食虫性で、種類によっては植物性のものや肉食、血液食性のものなどがいます。

日本には樹洞や洞穴が少ないため、生息場所は限られていることや、研究者が少ないことなどからレッドデータブック入りしている種類も沢山あるのだそう。

 

詳細については不明というコウモリが沢山いるそうで、まだまだ未知な部分も多い生物のようです。

コウモリは獲物を捕らえる時や飛行する時に獲物や物体との距離を超音波によって図ることが出来ます。

 

音の反響を受け止めて、周囲の状況を知るエコロケーションといわれる方法です。

音の周波数は高いものが多く、30kHz~100kHzで、人間には聞こえにくい音を出しているコウモリも沢山います。

吸血コウモリ

吸血コウモリはその名前の通り、血液をエサにしている種類のコウモリです。

他のものは一切食べず、血液の身をエサにしていて、そのような生態を持ったコウモリは980種類のコウモリのうちのたった3種類のみなのだそう。

 

3種類のうちの2種類は鳥の血液をエサにして、残りの1種類が人間も含む哺乳類の血液をエサにします。

哺乳類の血液をエサにするコウモリはチスイコウモリという種類です。

 

チスイコウモリは鼻に温度センサーを持っていて、通常ならば動物の皮膚近くの血管を探り当て、そこを剃刀のような前歯で噛み、傷口から流れ出る血液をなめとるという捕食方法。

一度の捕食ではスプーン2杯分ほどの血液をなめとると言われています。

 

本来生き物にとって消化のエネルギーというのはとても大きく、チスイコウモリのような液体を舐めるだけの捕食でも、水を飲みつつ何時間もかけて捕食、消化活動を行っているのだとか。

血を吸うコウモリと吸わないコウモリ

血を吸うコウモリは南米等特定の地域に生息していて、鋭い歯で哺乳類の皮膚に傷をつけ、知らない間に血を吸ってエネルギーを補給している為、鋭い犬歯と門歯を持っています。血しか吸わないので、臼歯は必要なく、退化していて、ナミチスイコウモリの歯は20本ほど。

また、親指が長く、後ろ肢も強いのでコウモリの中では例外的に歩行が得意であるのもナミチスイコウモリの特徴です。

 

更に、チスイコウモリは2晩続けて餌をとらないと餓死してしまうため、不運にも血を吸うことが出来なかった仲間に対しては血を分け与える習性もあります。

これは自分が血を吸えなかった時の保険と考えられていて、高度な社会生活を送っていることがわかります。

 

一方で血を吸わないアブラコウモリなど日本に生息しているなコウモリは小型の昆虫や甲虫なども捕食するのでしっかりと臼歯があります。

チスイコウモリでない種類の最多の歯の数は38本程になります。