細長くくねくねと動く蛇。人間とは全く違う生物ですが、彼らの内臓は一体どんな仕組みになっているのでしょう。

蛇の口の仕組み

細い体をして大きな獲物を狙う蛇。

彼らがどうして自分の体よりも大きな獲物を食べることができ、しかもそれを消化できるのかご存知でしょうか。

今回はヘビの食性と内臓についてお話していきます。

蛇の食性

蛇は全ての種類が動物食です。主食はシロアリ、ミミズ、カタツムリ、カエル、ネズミ、魚類、鳥類等種類によって異なりますが、大型の種類ではシカやワニ、人などを捕食することがあるものもいます。

 

コブラ類のように他の種類のヘビを食べる種類も多く、これは体が自分と同じくほそながいので食べやすく、栄養の吸収も良い為と考えられています。

蛇は変温動物なので一定の体温を保つ必要がなく、食事の間隔は数日から数週間ほどです。

蛇の口と食べ方

蛇は獲物を食べるとき、噛みついてそのまま強引にくわえ込むか、体を巻き付けて絞め殺すか、毒蛇の場合は毒牙から毒を注入して動けなくしてから食べるといった3つの方法をとります。

自分の頭よりも何倍も大きい獲物を呑み込んでしまうこともありますが、それを可能としているのはヘビの特殊な顎の構造によるものです。

蛇の顎は上顎と下顎がぱっくりと離れてしまっても、上下を繋ぐ左右2本の骨のおかげで顎が外れることはありません。

 

しかも、下顎の骨も左右にぱっくりと割れることが出来るため、上下だけでなく、左右にも大きく開くことができ、獲物の大きさによって自由に口の大きさを変えられるのです。

呑み込んだ後は自由に開閉できる助骨を通って内臓へ一直線。

人間のように鋤骨が胸骨についておらず、開閉が自由なのでどんな大きな獲物も喉を通るというわけです。

蛇の内臓と消化活動

蛇の内臓は体に合わせて細長く出来ています。もちろん、人間と同じく心臓や肝臓、腎臓などが存在し、消化は胃で行います。

まずは口の一番近い所に心臓があります。心臓は細長ではありません。そこから胃と肺が体の中心部分まで続き、途中肝臓が胃や肺の半分くらいの長さで入ってきます。

体の後半部分は胃から長い小腸が続きます。

 

蛇は獲物を捕食すると内臓の代謝をあげ、数日かけてゆっくりと消化活動を行います。

呑み込んだ獲物を酸や酵素で消化していくのですが、獲物を食べた24時間以内には胃内部のPHは7から2まで一気に下がります。

 

これはどういうことを意味しているかというと、大量の胃酸が分泌されていて胃の内部が酸性になっているとういうこと。

この時蛇の代謝率は通常の40倍にまで増加しているのだそうです。

消化活動を行っている時、エネルギーの多くは消化活動に使われるので、蛇はじっと動かないでいます。

ペット蛇の内臓手術

近年はペットとして蛇を飼っている人も多いようですが、蛇が病気になった時は犬や猫と同じように治療をします。

蛇自体の値段はコーンスネークデスと5000円から10000円程度。

 

カリフォルニアキングスネークのような蛇では40000円前後します。

飼育してペットとしての愛着が出てくると家族同然のような存在になり、そうなるとやはり病気は治してほしいと思うのが人情です。元の値段や医療費などは問題なくなるのでしょう。

 

蛇の治療は薬を飲ませたり、注射や手術等、症例によって様々な方法で行います。

回復手術を行う場合は犬などに使う麻酔薬を使い、気管内にチューブを入れて吸入麻酔で管理してから開腹するのだそうです。

 

疾患がどこにあるのかを探す場合はかなり長い範囲にわたって開腹しなければならないということなのでしょうかね。

縫い後のある蛇というのもなかなかの迫力です・・・・

(ライター ナオ)