空前絶後のネコブーム。巷では猫グッズやネコの写真集など愛くるしい猫で覆われています。

そんなネコブームの真っただ中でちょっとひかれてしまいそうな話ですが、猫股について少しお話しましょう。

猫又について

猫又は猫股とも書き、日本の民間伝承や古典の怪談、随筆などにある猫の妖怪です。

大別して山の中にいる獣と言われるものと、人家で飼われている猫が年老いて化けると言われるものの2種類があると考えられています。

猫股の種類1:「山中にいる猫又」

中国では日本より古く随時代には猫鬼や金花猫といった怪猫の話が伝えられていましたが、日本では鎌倉時代前期の藤原定家による明月記の天福元年8月2日の記事に現在の奈良県で猫股が一晩で数人の人間を食い殺したという記述があり、これが最初に猫股が文献上に登場した初出と言われ、山中の獣として語られていました。

猫股の種類2:「人家の猫又」

鎌倉時代成立のコキン著名聞集の観教法印の話では嵯峨の山荘でくぁれていた唐猫が秘蔵の守り刀を加えて逃げ出し、人が追ったがそのまま姿をくらましたと伝えました。飼い猫も年をとると化けて人を食ったりさらったりするようになると語られています。

江戸時代になると人家で飼われている猫が年老いて猫股に化けるという考え方が一般化し、山にいる猫股はそうした置いた猫が家から山に移り住んだものと解釈されるようになりました。

 

そのため、長い年月にわたって猫は飼うものではないという俗信が日本の各地に生まれるようになりました。

猫又の又は猫の尾が二又に分かれていることが語源と言われますが、民俗学的な観点からこれを疑問視して猫が年を重ねて化ける事から、重複の意味である「また」とみる説や山中の獣で猿のように山中の木々の間を自在に行き来するとの意味でサルを意味する猨を語源とする説もあります。

 

老いた猫の背の皮が剥がれて後ろに垂れさがったり、尾が増えたり分かれている様に見えることが由来という説もあります。

妖怪としての要素がある猫

猫は独特の眼光や不思議な習性によって昔から魔性のものと考えられてきました。

 

古来から魔性のものと考えられ、葬儀の場で死者をよみがえらせた李、猫を殺す路と7代まで祟られるなどと恐れられており、そうした俗信が背景となって猫股の伝説が生まれたものと考えられています。

 

猫と死者にまつわる俗信は、肉食性のネコが腐臭を嗅ぎ分ける能力に長け、死体に近づく習性のためと考えられていて、死者の亡骸を奪う妖怪の火車と猫又が同一視されることもあります。

 

つい最近流行った「妖怪ウォッチ」でも化け猫たちの妖怪が主役。

海外でも猫鬼や猫鬼神や足が三本しかない三脚猫という妖怪、主に海外では翼のある黒猫の妖怪もいます。

 

ロシアやスラブでは黒い猫が猫の精霊として存在していますが、ほえると犬のようで眼は燃えるようにギラギラ

赤く輝きます。

イギリススコットランドにはケット・シーと言われる妖精もいますが猫を虐待する人間がいると懲らしめるそうです。

ちなみに…世界で飼育されている猫の数

日本でも昨年、猫の飼育数が犬の飼育数を上回ったと言われ、空前絶後のネコブームが来ていますが、世界では一体どれくらいのネコが飼育されているのでしょう。

 

イギリスやアメリカでは犬と猫の飼育頭数はほぼ同じ、アメリカでは30%以上、ヨーロッパでは24%以上の過程で猫が飼育されているそうで、この数字はなおも増加傾向にあるのだそうです。

 

日本で猫の飼育数が犬を抜いた理由としては高齢化社会による飼育野しやすさが考慮されたことによるものもあります。

イスラム圏ではムハンマドが猫を愛したというスンナが残っていることから非常に尊ばれる生き物になっていて、ペットとしても人気があります。

(ライター ナオ)