オオクワガタとヒラタクワガタ、どちらもクワガタ採りには欠かせないクワガタの代表ですが、2種類をはっきりと見分けることはできますか?

オオクワガタの特徴と生態

オオクワガタはコウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属オオクワガタ亜属に属するホペイオクワガタ亜種で、日本では最大級のクワガタムシ。

北海道から九州までの広い範囲に分布していますが、ブナ帯の原生林やクヌギの台木林に集中的に生息しています。

近縁種は朝鮮半島から中国北東部にかけても生息しています。

体長はオスが20~76.6㎜、メスが22~48㎜ほど。ギネスの記録には82㎜が登録されているそう。

体色は全身黒色で上翅はやや黒褐色を帯びます。オスの小型個体やメスの鞘翅上面には明瞭な点刻列があり、黒光りすることから黒いダイヤとも言われ、一時期は高値で取引された時代もあります。

 

5~9月頃に活動し、夜行性で、昼間はクヌギ、アベマキ、ナラ類、カシ類、ニレ類、ヤナギ類などの樹液が出る大木の樹洞などに隠れています。

臆病な性質で、危険を感じるとすぐに隠れてしまい、人目につくところにはめったに出てきません。

 

翅はありますが、あまり飛ばず、住処を変える際か、灯火に引き寄せられる場合を除いては限定的なものと考えられています。

繁殖は樹洞を縄張りとするオスの所にメスが次々と訪れる一夫多妻!?的な繁殖方法で、メスは交尾後立ち枯れなどに飛来してトンネルなどを掘り、内壁に産卵します。

 

産卵中のメスは肉食の傾向が強くなり、他の昆虫を捕食したり同じカブトムシの死骸を食べたりします。

9月を過ぎると成虫は越冬態勢に入り、翌年の5月頃まで樹洞などで越冬します。

飼育下や自然界でオオクワガタのメスとコクワガタのオスが交配して生まれる雑種の存在が確認できていますが、オスの出生率が極端に多く、死亡率も高いのだとか。

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ヒラタクワガタの特徴と生態

ヒラタクワガタはコウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属ヒラタクワガタ亜属の1種で、25亜種に分類されるほどオオクワガタ属の中では最大の種類です。日本、インドネシア、ボルネオ島、フィリピン、マレー半島などに分布しています。

 

低地から山地までの広葉樹や照葉樹の森林に生息していて、日本での生息数は東日本よりも西日本にやや多い傾向にあります。

湿度の高い環境を好み、河川敷や河川近くの林などに多く生息しています。

 

体長はオスが18.8~110㎜、メスが21~54.5㎜。

大きさには幅があるが、110㎜に達する個体はクワガタ科の中でも最大級と言えます。

 

体色は黒から黒褐色。オスの大アゴは太くて平べったく、根元には大きな内歯が一対とのこぎり状の小歯を持っています。メスのお腹には黄色の毛があり、背中はツルツルとしています。

 

ヒラタクワガタの名前は、この平べったい体系をしていることから名づけられました。

成虫は夜行性で、広葉樹の樹液をエサとし、樹木の洞などに隠れて生活をしています。

 

成虫での寿命は1~3年で、南方に生息する大型亜種で昼間もオスがなわばりやメスをめぐって争っています

気性が荒く、噛む力が強いので、オスがメスを殺してしまうことも多く、飼育時には注意が必要です。

 

飛翔力が低いので、めったに飛ばず、生息域は広がりにくいと言われています。

メスは広葉樹の立ち枯れの土の中や倒木の下部などに産卵し、卵は約1か月で孵化します。

 

幼虫は朽木を食べて育ち、幼虫期間は約1年。蛹になるための蛹室を作って1か月ほどかけて蛹になり、そこから1か月経って羽化します。羽化後もなかなか活動せず、羽化~1か月ほど経って、行動を開始することが多いのだそうです。

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オオクワガタとヒラタクワガタの見分け方

オオクワガタとヒラタクワガタのオスの見分け方はオオクワガタは大顎の先端に近い部分に大きな内歯があり、そこから先端に向かう部分に目立った鋸歯はありません。

一方ヒラタクワガタは大顎の付け根に近い所に内歯があり、先端の尖りから内場の間には鋸歯が存在しています。

 

つまり、2種のオスは顎の形状を見れば一目瞭然というわけ。

しかし、メスの場合は慣れている人でも2種を見分けるのはちょっと難しいようです。

(ライター ナオ)

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