私たちにとってとても身近な鳥である「スズメ」。

そんなスズメですが、時折怪我などをして飛べなくなっている姿を見かけることがあります。

 

自然淘汰だから放っておくというのも一つの真理ではありますが、やはり目の前で傷ついているのを見るとなんとか助けてあげたくなってしまうものです。

そんな時はいったいどうしたら良いのか、保護する際の注意点を知っておきましょう!

スズメと「鳥獣保護法」

基本的に野生動物は、その生態系を守るために「鳥獣保護法」によって守られています。

これにより、許可なしでの捕獲、飼育は禁止されているのです。

つまり、怪我をしたスズメが目の前にいたからと言って、そのまま持って帰って無許可で飼育…というわけにはいかないということ。

保護する場合にはまずお住いの自治体に問い合わせて、指示を仰ぎましょう。

 

その上で保護の許可が出れば、そこで初めてスズメを保護することができるのです。

世知辛い世の中だ…とも思いますが、人間が下手に手を出して生態系が崩れる方が、より多くの被害が出る可能性もあるので仕方がありません。

 

また、下手に手を出すのは逆に生き物のためにならないこともあります。

例えば、巣から落ちた雛などは人間が巣に戻してしまうと、自分で飛び立つことができなくなってしまいます。

人間が手を出すことで、ストレスでより弱ってしまうことも考えられるでしょう。

 

まず弱ったスズメを見つけても、原則として手は出さないというのが基本。

軽い脳震盪を起こしているだけで、少し経てば元気に飛び立っていくというケースも多いです。

そもそも野生動物は人間が思うよりも逞しいので、非常に緊急を要するような事態でなければ、彼らの持つ力に任せましょう。

 

筆者も昔飼い猫がスズメを咥えて帰ってきた時、「あ、これはもうダメだ…」という感じのぐったりとしたスズメが、猫が口から離した隙をついて瞬く間に逃げて行った光景を見たことがあります。

 

野生の底力を見た気がしました。

しばらく見守っていてもどうしても動けない、放っておくと確実に死んでしまうという場合だけ、保護に乗り出してください。

それ以外の場合は、明らかに危ない場所(車に轢かれそう、など)のときだけそっと安全な場所に移動させてあげる程度にとどめましょう。

保護する時の注意点

さて、それではどうしても保護が必要になった状況を想定してみましょう。

スズメを保護するにあたって、気を付けなければならない点がいくつかあります。

人間への感染防止

まず大前提として、スズメを触る際には絶対にゴム手袋などを使用し、直接触らないようにしましょう。

野生動物はたくさんの病原菌を持っていますので、ゴム手袋は必須、そして触った後は手を洗い、保護時に使用するものは使い捨てできるものを使うのが無難です。

 

(ケージ代わりに空き箱、タオル代わりにペーパータオル、など)

小さなお子さんやペットがいる場合、同じ部屋には保護せず接触は極力させないでください。

速やかに獣医、もしくは自治体で指示を仰ぐ

明らかに保護が必要な状態では、素人が家で看病したところで良くなることはまずないでしょう。

まずは獣医や自治体の担当機関に相談をすることが望ましいです。

 

病院へ行くとお金の心配が…と思う人もいるかもしれませんが、中にはボランティアで野生鳥獣の保護をしてくれる病院もあります。

そういった情報を得るためにも、まずは自治体の担当機関への相談をおすすめします。

応急処置について

相当弱ってしまっている場合には、病院へ行くまでに応急処置が必要なこともあります。

まず最も大切なのは「保温」。

 

体温が下がってしまうと急激に弱ってしまいますから、湯たんぽやヒーターなどで保温をしてあげなくてはなりません。

巣箱の温度は29~30度ほどが理想で、温かい場所と保温しない場所を作って、スズメが自分で快適な温度を選べるようにしてあげましょう。

また、スズメは数時間おきに餌を食べる必要があるため、餌と水は切らさないようにしてください。

構い過ぎないこと

心配な気持ちはわかりますが、ずっと人間が側につきっきりだったり、触ったり構い過ぎてしまうと、逆にスズメはストレスを感じて弱ってしまいます。

保護する場所はできるだけ静かで薄暗い場所にし、必要以上に覗いたり触ったりはしないようにしましょう。

 

「体調が悪い時には放っておいて欲しいタイプ」は、人間でもいますよね。

それと同じことです。

スズメの保護についてのまとめ

弱っている生き物を見ると助けたくなるのは当然ですが、無暗に手を出すことが最善なことばかりではありません。

弱っているスズメを見つけたら、まずは本当に保護が必要かどうかを見極め、そして自治体の指示を仰ぐこと。

人への感染には十分に注意し、保護の際は保温や餌切れ、ストレスに配慮することが重要です。

(ライター もんぷち)