蛍が育つためには必要不可欠なカワニナ、そんなカワニナたちの餌は何かご存知でしょうか?

今回はカワニナの生態と飼育する時の餌について詳しくお話していきます。

カワニナの特徴と生態

カワニナはカワニナ科に分類される巻貝の一種です。

東アジアの淡水気に棲む細長い巻貝で、ゲンジボタルやヘイケボタルと言った水生蛍の幼虫の餌としても知られています。

 

日本、朝鮮半島、中国、台湾まで東アジアの亜熱帯域、温帯域に広く分布していて、川、用水路、湖沼などの淡水底に生息していて、都市部の河川など汚染の進んだ水域では見ることができません。

 

落ち葉等の堆積する流れのゆるい区域に多く生息し、流れが速い渓流にも少ないのが特徴です。

成貝は殻の長さが30㎜、殻の径が12㎜ほどで全体的に丸みを帯びた円錐形をしています。

 

巻が良く残った個体では10階を超えますが、通常は殻頂が侵食によってなくなり、下の3~4階だけが残っているものがほとんどです。

殻全体の色は白いのですが、表面にはオリーブ色や淡褐色の厚い殻皮を被っていて、色帯を持つ個体もありますが多くは鉄分が表面に付着して黒っぽく見えます。

 

餌は落ち葉や付着珪藻、デトリタスと言われる昆虫の死骸などの有機物で、天敵はゲンジボタルの幼虫、ヘイケボタルの幼虫、コイ、モクズガニ、サワガニなど。

繁殖期は貼ると秋でメスは卵ではなく、小さな仔貝を300~400匹程生み落とします。

産卵前の仔貝は胎児殻と呼ばれ、形態や数は種の識別の目安にされます。

カワニナの種類

カワニナの属するカワニナ科には多くの種類があり、種内でも多くの変異が知られています。

また、琵琶湖、淀川水系では独自の種分化を遂げたビワカワニナ種群が知られています。

カワニナの類似種であるチリメンカワニナやクロダカワニナもゲンジボタル幼虫の餌となります。

 

南日本に生息するタケノコカワニナは絶滅危惧種に指定されているカワニナで、成貝は殻長60㎜、殻径23㎜です。体層は丸みを帯びていますが、貝殻全体は膨らみがなく円錐形に近いです。

和名は直線的な貝殻がまっすぐのびるタケノコに似ていることに由来し、大型個体では殻頂が侵食されてかけているものが多いようです。

 

貝殻表面はほぼ平滑で鈍い光沢がありますが、色は一様に黒褐色、濃藍色、木褐色で、カワニナと似ていますがより大型になることや細長く直線的な形をしている事、殻頂がかなり大きく欠けることなどで区別をつけられます。

加工などの汽水域に生息し、水底の転石や土の上を這います。

 

汽水域の中でも塩分濃度が比較的低く、泥が積もるほど流れが緩やかな区域を好みます。

純淡水域に入ることはなく、この点もカワニナと区別がつきます。

タケノコカワニナの属するトウガタカワニナ科は卵生で、卵殻孵化した幼生はしばらく海中でプランクトン生活を送り、稚貝となって汽水域に定着します。

カワニナの飼育と餌

カワニナは自然界では先ほども書いた通り、色々な有機物を食べるいわば川や沼の掃除屋さん的役割をしています。

飼育した場合でもほとんどのものを食べますが、酸味や渋みなどの刺激のある食べ物は水中で成分が分解してから食べ、硬いものは柔らかくなったところから食べているようです。

 

特に好むのはキャベツ、白菜、ジャガイモの皮、人参の皮、カボチャ、リンゴの皮、メロンの皮、ご飯、餅、うどんなどの食事の残飯などです。

ジャガイモの皮やサツマイモ、カボチャなどは水に入れるとすぐに沈むので与えやすく、キュウリは入れるとするに食べるので水を汚す心配がありません。

 

一度に大量の餌を与えると夏場などの水温が高い時期は特に腐敗しやすいので少しずつ与えるようにしましょう。

夏場は朴の葉などが腐りにくく最適です。

(ライター ナオ)