縁起が良いといわれる生き物は多くいますが、徹底した肉食昆虫のイメージが強いカマキリはどうでしょうか?

カマキリについて

カマキリは全国的に分布している昆虫のひとつです。昆虫の中でカマキリ目というひとつのグループを構成しています。

日本で見られるのはオオカマキリ、チョウセンカマキリなどです。成虫が見られるのは主に夏です。

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カマキリの捕食は待ち伏せ型です。小型の昆虫などを食べた後は、よく前脚の手入れをしています。

カマキリの体は頭が小さく胴体部分が長いのも特徴です。

体は柔軟性に富み、頭部は180度ほど回転します。また、顔からはみ出そうなほど大きい複眼があります。

中には黒い点のようなものがありますが、これは偽瞳孔というもので瞳孔ではありません。

 

カマキリはこの黒い点でその方向を見ているわけではなく、複眼の構造上、光を通した個眼にのみ奥の方まで光が通り黒く見えているからなのではないかといわれています。

カマキリの額と思われるところには、仁丹の粒のような単眼があります。

 

オオカマキリの場合、3つです。

カマキリの動作や顔つきは擬人化されやすいように思いますが、こちらを見ているように見える偽瞳孔やよく動く体のためかもしれません。

カマキリの別の呼び方

カマキリの別の呼び方として、「オガミ虫」というのがあります。

カマキリが前脚のカマの部分をそろえている姿が何かを拝んでいるように見えるからだそうです。

そのようなポーズをとる昆虫は縁起がよいのかもしれません。

 

カマキリは秋になると卵鞘に包まれた沢山の数の卵を草に産みつけます。

卵の数は200ともいわれ、このことから子宝に恵まれるとされることもあるようです。

 

また、産みつける卵鞘の位置が高いと大雪になるという話もあります。

カマキリは卵の状態で越冬し、春先に孵化します。地域によりさまざまな呼び名があり、カマキリは多様なイメージをもつ昆虫のようです。

蟷螂の斧について

「蟷螂の斧」という故事成語があります。蟷螂はとうろうと読み、カマキリの漢字表記です。

もととなっている原典の一部は「猶蟷螂之怒臂以当車轍」だそうで、春秋時代の斉の皇帝荘公が車で猟に出かける際、道にカマキリがいて車の邪魔になったので、荘公は御者にこの虫は何という虫か尋ねたところ、御者がこれはカマキリで前に進むことしかできず後ろに退くことを知らぬ愚かな虫です、と答えたところ、荘公はこの虫はとても勇気のある虫だ、人間であれば天下をとったであろうと言い、車を迂回させたという内容だそうです。

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日本では自分の力を考えず、大きなものに立ち向かう様を言い表す時などに使われます。

「蟷螂の斧」は意味合いは愚かしいという意味のこともあれば、勇気や強がる様子を立派だとする使われ方もあります。使いこなすのが難しい言葉です。

 

「蟷螂窺蝉」というものもあります。

目の前の蝉を狙うカマキリは後ろにいるスズメに気付かない、という言葉です。

 

これも解釈は様々です。カマキリのカマは強いように思われますが、時には愚かなものにも例えられます。

カマキリは諸刃の剣のように相反するようなもののたとえとしても使われているようです。

カマキリと祇園祭

カマキリが縁起のよい生物なのではないかと思われるひとつの根拠として、祇園祭の「蟷螂山」という山鉾(やまぼこ)があります。

祇園祭は京都市東山区の八坂神社の例祭です。神社などで祭りの際に引かれる山車のことを山鉾、というようです。

 

蟷螂山の特徴はカラクリ仕掛けの緑色のカマキリが乗っていることです。

このカマキリは木製だそうで、バネ仕掛けの部分にはクジラのヒゲが使われており、現代の祇園祭では唯一のカラクリ仕掛けのものだそうです。

祇園祭における動くカマキリの役割は神の使いといわれています。

 

ことの起源は南北朝時代のことで、足利軍勢との争いで戦死した公卿である四条隆資の戦いが「蟷螂の斧」を想起させる見事なものであったことから、もと元王朝の公卿の家系にあたる大年宗奇の二代目が四条隆資を偲び、その死後25年にあたる1376年、四条家の御所車に生きているように動くカマキリを乗せることになったそうです。

 

蟷螂山は度重なる戦火を乗り越え巡行の歴史をついできたようですが、1864年にはその大半を焼失し、1981年に117年ぶりに再興されたとのことです。

「縁起」という言葉の意味には物事の起こり、というものもあります。

縁起をかつぐ、という言い方をしますが、カマキリを乗せた山鉾をひくということは縁起が良いように思えます。

カマキリは縁起がいい?

カマキリは縁起が良いのでしょうか?昆虫の中で縁起がよいとされるテントウムシやスカラベほど分かりやすい縁起の良さではありませんが、カマキリは大変勇気のある縁起の良い虫かもしれません。

(ライター:おもち)

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