いまや害獣といわれるハクビシンの天敵は何でしょうか?

ハクビシンの特徴

ハクビシンの生息地は日本、中国南部、台湾、タイやミャンマーなどを含むインドシナ半島などです。

主に樹上で生活し果実類を好むようですが、エサのありかによっては地上へ降りてくることもあります。

 

四肢には5本の指がついており木登りに適した体つきです。

体はオスのほうが大きく、外見の特徴は顔の白い線と尻尾の長さです。尾の長さは40~65cmほどとされ、体長は50~75cmほどです。顔は丸顔で身体つきは細く、体毛は茶系で尾は黒っぽいことが多いようです。

 

体重は3kg~6kgほどです。ハクビシンは動きがとても素早く、都内などでハクビシンがいた!と思ってもとっさに判断することは難しいようです。

夜行性と言われますが夕方あたりから活動することもあります。ハクビシンは、果実類を食い荒らし、時には民家などに棲みつき糞尿をしてしまうことから厄介な動物として扱われています。

ジャコウネコ科のハクビシンについて

臭いのする尿をあちらこちらでしてしまうのは非常に嫌なものです。

ハクビシンはジャコウネコ科の生物ですが、ジャコウというと大昔は動物性の香料の原料として使用されていました。

 

アフリカに棲息していたジャコウネコの分泌物からはシベットといわれる香料がとられたそうです。

分泌物というと尿ですが、ジャコウネコ科の生物はにおいに特徴があるようです。もちろんハクビシンもそうです。

 

オスのハクビシンの肛門付近に臭腺があります。

ハクビシンは単独行動をする動物ですが、オス一匹のテリトリーは約1~2km四方だとも、エサのありかによってはもっと移動するともいわれています。

ハクビシンの天敵

ハクビシンの天敵はよくいわれるように人間です。

ジャコウネコ科のハクビシンの毛皮はなめらかであり、食用とされている地域もあります。

東南アジア地方に生息する野生のハクビシンたちの天敵はタカなどの猛禽類などです。

ハクビシンはミカン類などの果樹を食べるといわれますが、野生下では小型の哺乳類や鳥の卵などを地面の上で食べることもあるようです。

また、日本で見られるようになったアライグマなども天敵といえるかもしれません。

ただハクビシンは運動能力が高く、日ごろ目にする飼育下にある動物とはまるで違った性質のようです。

ハクビシンはいつから日本にいたのか

ハクビシンは日本に生息する唯一のジャコウネコ科の動物です。

しかし目撃情報が増え被害が目につくようになったのはここ10数年のことです。

 

初めてハクビシン、という名前の動物を目にしたとき、ペットとして飼育していたのが逃げたのだろう、と思いましたが、のちに随分前から日本に生息していた動物であるらしいことを知って怪訝に思いました。しかも上野動物園で飼育もされています。

 

ハクビシンはずっと昔から身近にいたようでありながら、生態がわかりにくい動物です。

繁殖は春先や秋だとされ、メスの妊娠期間はおよそ2ヶ月、生後間もないハクビシンはグレーの体色で体は15cm程です。

一度に産む子の数は2,3子であるようです。一年ほど経つと成熟します。寿命は10年ほどとされています。

 

ハクビシンは国内に広く分布しているようですが、被害が報告されている時期とまったくそうでない時期があります。

ハクビシンが自ら海を渡ってやってきたとはおよそ考えられず、有力な説としては明治時代に人為的に移入したのではないか、と言われています。

 

日本における動物の毛皮の利用には意外な歴史があります。

日本の風土になじみ、野生化したハクビシンたちは悠々と暮らしているのかもしれません。

気温にもよりますが、ハクビシンがあらわれるのはほぼ通年のようです。

鳥獣保護法とハクビシンについて

鳥獣保護法というのは鳥類と獣を対象とした法律です。

猟などを趣味としている方にはお馴染みかもしれません。

 

ハクビシンは有害獣になっており、個人が勝手に駆除することはできません。

ハクビシンらしき動物をみかけたら、猟銃免許保持者のいる施設などに連絡しましょう。

ハクビシンは今のところ勝手に捕獲することができない動物です。

(ライター:おもち)