キクイムシとは建物内にある乾燥した木材などを餌とする害虫です。

成虫でも1mm程度で、幼虫・成虫ともに植物性のものを餌としています。

そのため、家屋内にいると大変なことにもなりかねない駆除対象となる害虫です。

キクイムシの発生時期

キクイムシの成虫の発生時期は一年に一度、春から夏にかけてです。4月から6月ころが多いようです。

ただし、近年の住宅事情は温暖で快適なことも多く、人間にとって過ごしやすい空間は虫も好む場合もありますので、一概にそうともいえないこともあります。

2月ころから成虫がみられることもあるようです。生息地はほぼ日本全国です。

 

キクイムシはゾウムシの仲間のキクイムシ科の虫のことですが、被害が多いのはヒラタキクイムシです。

主に広葉樹林の木材につくことが多く、木の割れ目などに産卵し10日ほどで幼虫になります。

 

さなぎの時期はその木材の中で過ごし、成虫になるのはだいたい春先です。

羽化し、その木材から出てきます。夜行性で飛ぶこともあります。

成虫の寿命は1週間程度ですが、産卵してしまうと厄介です。

 

キクイムシの被害に気付くのは、キクイムシの成虫が木材を食べて出す糞が多くなった時点であることが多いようです。

細かい粉のようなものが壁や木材についていれば、周辺の木がキクイムシの棲み処になっている可能性があります。

キクイムシのつきやすい木材

キクイムシの好む木は広葉樹のことが多いようです。それを使った合板、家具、フローリングなどに発見されることが多く、一度キクイムシがつくと根本的に駆除することが難しい害虫です。

屋内に侵入している害虫の駆除が難しいのには、家屋内には実に多くの木材が使われており、どこが根本要因となる木材なのか特定することは難しい点にあります。

キクイムシは小さく移動範囲はそう多くありません。しかし、キクイムシは10ヶ月ほど木材の内部にさなぎの状態で潜んでいるために、一年くらいは被害に気付かない場合も多いようです。

 

キクイムシがいる場合、その部位には出入りする孔が開いています。

キクイムシの開ける孔はとても小さく、1,2mm程度です。それより大きければキクイムシとは違う害虫かもしれません。

キクイムシの駆除

孔を発見した場合

この場合は孔にエアゾール殺虫剤を注入します。

殺虫剤はシロアリまたはキクイムシ用のものが良いようです。

 

孔にキクイムシの糞のようなものが詰っている場合はほじくりだしてからにします。

その後、50cm四方をラップなどで完全に密閉し、孔から殺虫剤が漏れないようにします。

 

そのまま数日間様子をみてください。

ラップはポリ塩化ビニルのものが効果的です。この方法でひと月に一度ほど、繰り返し駆除します。

 

キクイムシの駆除が難しいひとつの原因として、それが建材であることです。被害が大きくなると家屋全体に影響を与えてしまいます。

キクイムシが大量に発生している場合は、スプレー式の駆除剤も効果的です。それ以上の産卵を抑える効果が期待できます。

キクイムシの予防

キクイムシなど木材の中に入り込む害虫の駆除は特に素人には困難です。

そのため、予防策をとるのがおすすめです。

 

一度キクイムシの発生した部位には殺虫スプレーをしておきます。換気は必ずしましょう。

家具などを新しく買う場合、初めから防虫処理をした木材を使用したものを選ぶのもよいでしょう。

木材防虫剤というものもありますので、あらかじめ使用しておいてから家具等を使うこともできます。

キクイムシの害について

キクイムシはどこからどうやって入ってくるのか分かりにくい害虫です。

キクイムシによる被害が多くなってきた背景のひとつとして、住環境の向上があります。

 

健康被害の出にくい木材を使用することが多くなり、住環境は飛躍的に改善されました。

人間にとってよい環境は、キクイムシをはじめ建材害虫にとってもよい傾向にあります。

キクイムシの被害については、予防策をとるのが一番よさそうです。

(ライター;おもち)