家庭菜園などで育てた野菜にはナメクジが沢山ついていることもしばしば。

ナメクジの這った後はぬめぬめとしていて、そのヌメリはなかなか取れないものです。

そんなナメクジですが、実はちょっと怖い菌を持っているってご存知でしたか?

ナメクジの特徴と生態

ナメクジは軟体動物腹足鋼のうち、体退化しているものの総称です。

日本の人家周辺ではナメクジ科に分類される多くのナメクジやコウラナメクジ科に分類されるチャコウラナメクジ等が多く見られます。

チャコウラナメクジは1970年代以降に見られるようになり、ヨーロッパ原産とされる外来種です。

人家の周り以外にも農地や空き地など人為的影響の強い場所に生息していて、作物や園芸植物に害を与えます。

 

山野にはヤマナメクジという大型種がいて、体長は10㎝以上にもなります。

体は分厚く、触角は短いのが特徴です。

 

沖縄の産地には別種のヤンバルヤマナメクジや殻が退化しかけて薄く残るヒラコウラベッコウガイ等が生息しています。

雌雄同体で精子と卵子を両方持っています。右側頭部にある互いの生殖孔にペニスを入れ、精子を交換し、受精させます。

卵は20個ほどまとまって産み付けられ、一見するとビーズのようにも見える艶を帯びた半透明をしています。

 

約1か月ほどで孵化し、その後自分の殻を食べてから他の餌を探して移動します。

触角は2対あり、外側の上に伸びた1対の長い方は臭覚と視覚を感知すると言われていますが、細胞は単純で明るさの判別位しかできないようです。

一方下に垂れた2本の触角は臭覚と味覚を感知します。これらの触角は切れての再生する能力を持っています。

 

ナメクジの血は赤くなく、透明をしていてヘモグロビンが含まれていません。

夜行性で日の落ちた涼しい時期に活動し、日中は乾燥を避けるために粘液を分泌しながら日陰でじっと耐えています。

ナメクジの害

ナメクジは葉を食い荒らし、植物に直接的な害を及ぼします。農業を生業としている農家にとっては、時に葉物類やキュウリなどの実の上を這い、跡を残し、商品にならないこともしばしば。

また、家屋に侵入することもあり、その見た目から不快害虫として駆除対象とされることもあります。

ナメクジの菌

かつては薬になるとされていたこともあるナメクジですが、最近は海外から移入してきたと考えられる広東住血線虫症という幼虫寄生を原因とする感染症が危惧されています。

これは菌ではありませんが、人間にとっては非常に有害です。

 

広東住血線虫の終宿主はネズミで、ネズミから排出された第1期の幼虫が中間宿主であるナメクジ類に摂取されると、第3期幼虫まで発育します。

 

このナメクジ類がネズミに摂取されると、第3期幼虫はネズミの中枢神経に移動し、第5期幼虫まで成長して肺動脈へと移動して成虫になります。

中間宿主がカエルなどの待機宿主に摂取されると、第3期幼虫のまま寄生します。

私たち人間は中間宿主のナメクジや待機宿主から感染する可能性があり、ナメクジの這った野菜などは十分に洗ってから食べるようにしなければなりません。

 

万が一第3期幼虫に寄生されると、幼虫たちは免疫システムから逃げるためや脳由来の酵素を獲得する為に中枢神経へ移動します。

このことによって起こりうるのは出血や肉芽腫形成、好酸球性脳髄膜炎など恐ろしいことになるのです。

 

実際に平成12年には沖縄県の7歳の女の子が広東住血線症に感染し、死亡しています。

この例は1969年に沖縄で初めの患者が確認出来てから、初の死亡例となりますが、症例は全国で報告されています。

ナメクジの寄生虫について

ナメクジの駆除

ナメクジの天敵は昆虫や両生類、特にコウガイビルやマイマイカブリなどですが、これらの生物をナメクジ駆除のために放つのは一苦労です。

市販でナメクジ駆除用の薬剤が市販されていますので、そちらの利用をおすすめします。

また、薬剤を使いたくない方はビールトラップなどの方法もあり、そちらも効果的です。

(ライター ナオ)

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