みなさんは、魚の顔をまじまじと眺めたことがありますか?

目があって口があって鼻が…ある?ない?

 

目や口は見てすぐにわかりますが、鼻があるかどうかは一目ではわかりづらいですし、記憶もあやふやです。

そこで今回は、魚の鼻について詳しくまとめてみたいと思います。

魚の鼻はどこにある?

まず結論から言うと、魚にも鼻はあります。

しかも魚は人間よりも嗅覚が敏感で、人間では感じられないようなにおいまで感じ取ることができるんですよ。

サメなんかは、一滴垂れた血の匂いを感じ取って集まってくると言いますもんね。

…ただし、「サメは1km先から一滴の血の匂いを感じ取れる」というのはデマです。

 

人間より嗅覚が鋭いことは確かですが、さすがに1kmも先から一滴の血の匂いを感じ取ることは不可能なんだとか。

結局のところにおいというのはそのものの持つ「分子」ですから、一滴の血に含まれる分子が水中で1km先まで届くか…と考えたら納得できますね。

 

さて、それではここで一つ問題です。

「鼻の穴は何個あると思いますか?」

 

誰もがこの問いには、「当然2個だろう」と答えるかと思います。

しかし正解は「4個」。

 

なんと魚には鼻の穴が4個もあるのです!

2個は人間と同じように口の上あたり、そして残りの2個は目のキワあたりに位置しています。

(例外的に、頭の上などにあるものもいますが。)

 

なぜ魚には穴が4個もあるのでしょうか?

その理由は、吸い込んだ水を排出するため。

 

前側にある穴から水を吸い込み、もう一方の穴から排出。

水が鼻の中を通る過程で、においを感じ取ることができるのです。

人間の鼻は呼吸をする役目も果たしていますが、魚の場合は嗅覚専門の器官となっています。

人間の鼻も4個あった!?

現在地上にいる生き物たちは、すべて海中生物が進化したものだと言われています。

まずは魚が陸上に上がり、両生類、爬虫類、哺乳類…と進化。

 

つまり人間も元々は魚だったということですね。

ですが、現在の人間には魚だったときの名残など全く無いように思えます。

 

しかしじつは「鼻の穴の数」という点に置いて、魚と同様に「4個」あるという名残が!

「いやいや、どう見ても人間の鼻の穴は2個でしょう…」というツッコミが聞こえてきそうですね。

 

それもそのはず、残りの2個はとてもわかりにくい場所にあるからです。

それが「目頭の内側」。

下瞼の内側を見てみると、目頭側に小さな穴が開いているのが分かりますか?

 

これを涙腺だと勘違いしている人もいますが、これは涙腺ではなくかつての鼻の穴の名残(現在は涙道と呼ばれている)なんです。

その証拠に、涙を流すとなぜか連動して鼻水も出てきませんか?

それは涙道を通って、目から鼻へと涙が流れて行っているからなのです。

 

目薬をさした時に、なぜか口の中が苦くなる…という現象の原因も、目薬が目から鼻を通って口へと流れ込んでしまっているため。

(余談ですが、これを防ぐには目薬をさしたあと目をパチパチせずに、静かに瞼を閉じて目頭を押さえるのが有効です!)

 

逆に、鼻でなにか異常が起きると、目やにが酷くなったりもします。

目に鼻の穴があるってのもなかなか不思議なものですね…。

魚の鼻についてのまとめ

今まで魚の鼻の場所や数を意識したことは無かった人も、これを機に観察してみてはどうでしょうか。

スーパーで売られている魚や、飼っている金魚やメダカ、水族館などでも観察することができますよ。

 

また養殖の鯛などは鼻の穴がつながって一つになってしまっていることが多いそうです。

これは養殖ものと天然ものを見分けるのにも使えるので、覚えておいて損はありません。

スーパーで鯛を見かけたら、ラベルを見る前に見分けにチャレンジしてみましょう!

(ライター もんぷち)