春のイメージが強いテントウムシ。

しかし冬でも草取りなどをしていると、たまに見かけることがあります。

 

テントウムシは寒い季節、どうやって越冬をしているのでしょうか?

あんなに小さな体で寒さに耐えられるのはなぜか…とても気になりますね。

そこで今回は、テントウムシの越冬の秘密について迫っていきたいと思います!

テントウムシは越冬するの?

冬になるとぱったりと姿を見かけなくなるテントウムシ。

寒さにやられて死んでしまったのか、それとも安全な場所で越冬しているのか気になりますよね。

じつはテントウムシ、冬の間は集団で冬眠をして、冬の寒さに耐えているんです。

越冬場所は、落ち葉の下や木の穴の中、または家や建物の中など風の当たらない暖かい場所。

そういった場所に集団で集まって、越冬をします。

 

集団で越冬する理由はより寒さに耐えられるようにするため。

油断していると、部屋の隅などにテントウムシがビッシリ…なんてこともあります。

(特に白い建物に良く集まるそうです。)

木に藁などを巻いておくと、剥がしてみるとその下で大量のテントウムシが越冬していることも。

冬にテントウムシを捕獲するなら、絶好のトラップですね。

無事に冬を超えたテントウムシは、暖かくなると活動を始めます。

 

冬でもたまに活動しているテントウムシを見かけることがあるのは、暖かい日に勘違いして出てきてしまうこともあるからでしょう。

または集団で越冬し損ねて、そこらへんの草むらで単体で越冬していたかですね。

基本的に越冬中は餌を食べることはありません。(当然ですが、冬は餌も少ないですからね。)

 

実際に、私が子供の頃、冬の初めごろに捕まえたテントウムシを虫かごに入れたまま1ヶ月ほど完全放置してしまったことがありました。

ある日思い出して慌てて虫かごから出してみると、ちゃんと生きていて動いたのを覚えています。

 

虫の生命力ってすごいですね。

テントウムシからしてみれば、虫かごの中は絶好の越冬場所だったのかもしれません。

飼育下での越冬方法

次に、飼育下での越冬方法について見ていきましょう。

飼育下においても、基本的には野生下での越冬と同じです。

 

「ヒーターなどで暖かくしていれば、冬眠せずに冬も飼育できるのでは?」と思われるかもしれませんが、それは不可能に近いでしょう。

まず、冬は餌の確保が困難な上に、本来テントウムシの寿命は数カ月です。

(中には2~3年生きるものもいますが。)

 

冬眠して越冬したものも春になり繁殖を終えれば、命を落とすのが普通なのです。

それを飼育下で無理やり生かしたとしても、春が来る前に命を落としてしまう可能性もあるのでおすすめはできません。

 

飼育下で越冬させる場合は、飼育ケースに落ち葉を入れて、ケースごと段ボールなどでくるみ温度変化の少ない場所へ置いておきましょう。

きちんと落ち葉や段ボールなどで環境を整えておけば、寒すぎて死ぬ心配はしなくてもいいでしょう。

風や霜が避けられる場所であれば、ベランダなど屋外でもかまいません。

 

逆に暖房をつける部屋の中や時間帯によって温度差がある場所は、温度の変化にテントウムシの体がついていけず衰弱してしまうので避けましょう。

暖かくなり始めそろそろ活動が始まるかな…というタイミングになったら、冬眠明けに食べられるように餌をたっぷりと用意してあげてください。

テントウムシの越冬についてのまとめ

人間なんて大量に服を着こんでいても寒いのに、あんな小さな体で冬を越えるテントウムシはすごいですね。

もし集団で越冬しているテントウムシを見かけたら、よほど生活に支障が出る場所でなければそっとしておいてあげましょう。

春になると、害虫であるアブラムシをたくさん食べてくれますよ。

(ライター もんぷち)