サメは魚類ですが、同じ流線型のボディをもつシャチは哺乳類です。その違いは何なのでしょう。

クジラやイルカの仲間であるシャチは、肺呼吸をし、卵ではなく赤ちゃんを産み授乳して育てます。

それゆえ哺乳類に分類されます。ではなぜ、シャチは哺乳類なのに海にいるのでしょうか。今回はそのあたりを探っていきます。

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シャチが主人公の映画『オルカ』

マイケル・アンダーソン監督、リチャード・ハリス主演のアメリカ・イタリア合作映画『オルカ』(1977)をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。

1975年の大ヒット映画『ジョーズ』の影響をうけて製作された、本能で行動する獰猛な動物動物によるパニック映画と思いきや、オルカ(シャチの学名からとった呼び名)の高い知能や家族・仲間愛が際立った映画となっています。

 

オルカの白と黒のボディと周囲の海・太陽・空と構図が美しく、オルカとオルカに対峙する漁師との葛藤を印象深く描いています。

『ジョーズ』の主人公は魚類のサメであるのに対して、『オルカ』の主人公は哺乳類であるということを物語っているのかもしれません。

シャチとはどんな生き物?

シャチはクジラやイルカの仲間で、海に生息していますが哺乳類です。

オスの体長は6~7m、体重3.5~5.5トン、メスの体長は5~6m、体重が1.5~3.5トンの大型生物です。白と黒の体色が特徴的ですが、その模様は個体により異なります。

シャチはメスを中心に数頭から数十頭のポッドと呼ばれる群をつくって海を回遊しています。

寿命は60~70歳ぐらいで、人間と同じくメスのほうが長生きするそうです。

知能が高く、映画『オルカ』に見られるように復讐心などもあるといわれています。また超音波を使って仲間とコミュニケーションを図ったり、障害物を回避したりすることもできます。

シャチは食物連鎖のてっぺん!

シャチのエサは海獣類や魚類で、クジラ、イルカ、アザラシ、サメ、ホッキョクグマなどの大型生物までエサにしているので、海洋生物の頂点にいるといえるでしょう。

 

シャチは大きな体をもっていますが、水族館のパフォーマンスで見られるようにジャンプ力があり、時速60~70kmで泳ぐことができ、エサを求めて1日に100kmも移動することが知られています。仲間のチームワークで敵を奇襲したり挟み撃ちにしたりして狩をします。

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一方、人間を襲ったという記録はないようです。シャチは知能が高いので、食べる必要がないものは襲わないといわれています。

サーファーや飼育員が足をかまれたということはあるようですが、それは好奇心によるアプローチか、大きい体で悪ふざけをしたからではないかとみられています。

クジラ類の進化とテチス海

シャチは哺乳類なのになぜ海にいるのか、シャチを含めたクジラ類の進化の過程をみていきます。

■クジラ類の祖先は多くの哺乳類と同じく陸を歩いていました。けれどもどのように海に進出したかは長年の謎でした。

■現在のインドやパキスタン限定地域でクジラ類の祖先の化石が発見されました。

その地域は5000万年前、広大な恵み豊かな浅瀬の海でした。

つまり、インドとアジア大陸の間に「テチス海」という海があり、そこがクジラ類の祖先の生息の場だったのです。

■テチス海で発見された哺乳類の化石が、なぜ現在海に生息するクジラ類であるといえるかというと、耳のしくみ、耳の骨が共通しているからです。

クジラ類特有の骨振動で音を聞くための分厚い耳骨があり、陸上よりは水中のほうがよく聞こえるということも水生動物への進化に役立ったのではないかともいわれています。

■広大な遠浅のテチス海は恵み豊かな海であったため、クジラ類の祖先たちの格好の餌場となり水生適応が加速しました。

■しかし、インドがアジア大陸にぶつかり大地がせり上がり世界最高峰のヒマラヤ山脈が形成されるという大きな地殻変動が生じるとテチス海は消滅し、クジラ類の祖先たちは大海原を回遊することになりました。

■テチス海では長い尾と4本足がある半水棲の姿をしていましたが、大海原に放り出されたクジラ類たちは、前足は胸ビレに進化し、後ろ足は退化し、尾ビレが形成され現在の完全な水生動物になったと考えられています。

シャチに会える水族館

日本でシャチに会える水族館は2ヶ所です。シャチに興味をもった方はぜひ会いにいってみてください。

  • 鴨川シーワールド:千葉県鴨川市東町1464−18
  • 名古屋港水族館:名古屋市港区港町1-3

まとめ

クジラ類の仲間であるシャチが、哺乳類だけども海にすむようになった進化の過程を調べました。

シャチの先祖は陸上生活をしていた哺乳類だったんですね。それを思うと同じ哺乳類として親近感を感じます。

シャチは一見獰猛な海の生き物ですが、知恵をもち、飼育員に愛情をもったり、時には仲間を殺された復讐心をもったりすることがあるかもということもわかるような気がします。

(ライター sensyu-k)

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