虎に関する故事やことわざは日本に数多く存在しています。

狐や狸、猪などの動物はともあれ、日本には生息していなかったはずの虎に関する多くの言葉の存在は、もしかして日本に虎が生息していたことがあるのでは!?と思ってしまいます。

虎と日本の関係

結論から言ってしまえば、虎が日本に野生下で生息していたことはありません。

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観ることが出来るのは動物園やサーカス。

日本での最初の虎は「絵」でと言われています。

しかし、それより以前の日本書記にはすでに「虎」の記述があり、万葉集でも「虎」が詠まれていました。

 

西暦927年には「虎皮」の記述もあると言われ、平貞盛の時代には虎の皮を利用した鎧などが使われていたそうです。

虎の「絵」が盛んになったのは室町後期から。

 

加藤清正の虎退治やアニメ、一休さんで繰り広げられたとんち劇場の「屏風の虎退治」のお話しもこの時代が背景になっています。

日本人が初めて生きた虎と遭遇したのは豊臣秀吉の朝鮮の役の時だと言われています。

その頃朝鮮半島と日本列島の間には人の行き来があり、朝鮮半島に生息している虎の存在は、庶民の耳にも入ってくるようになりました。

虎の故事やことわざ

虎に関する故事やことわざも全て中国から入ってきたもので日本独自のことわざではありません。

例えば、「虎に翼」という、ただでさえ強いトラに更に鳥の翼をつけ、ますます強くなるという意味の故事は「鬼に金棒」という日本本来のことわざがありますし、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は「危ない所に登らねば熟柿は食えぬ」という、なんとも平和な日本らしい言い回しに置き換えられます。

 

つまり、日本には「虎」を使わなくてもしっくりと日本人に当てはまる言葉を持っているということです。

それでもなお、虎の文字が使われたり、虎が定着しているのには、やはり密林の王者と言われる強いものへの憧れがあるのでしょう。

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日本人と虎の関係

日本人と虎の関係はことわざだけではありません。

昔はじゃんけんの先駆けとも思われる虎拳という遊びが流行ったり、戦時中に行われていた千人針では虎の刺繍がなされました。

プロ野球チームの阪神タイガースは「虎」という呼び方をされることもあります。

魔法瓶で有名なタイガー印もまた、虎がモチーフになっています。

 

また、警戒ロープやテープなどは虎紐や虎テープともいわれます。

生物の名前に着けられていることも多く、縞模様のある生物を虎に見立ててトラフグやトラカミキリなどと呼んだりもします。

 

このように、虎は庶民の生活の中で密接な関係にあったわけではない動物なのですが、兵士や武士たちにとっては勇敢の証として存在し、それが自然に庶民の中にも浸透していったり、特徴的な縞模様を取り上げてみたり、と今や日本人にとっては何故か身近な存在になっているのです。

虎の生息地

虎の生息地は現在インド、インドネシア、タイ、中華人民共和国、ネパール、バングラディッシュ、ブータン、マレーシアなどです。

朝鮮やベトナムでは既に絶滅したと考えられ、かつて生息していたアフガニスタンやイラン、インドネシア、ウズベキスタン、カザフスタンなどでは絶滅しています。

 

研究者によって分類の仕方が違いますが、およそ10種類に分けられ、代表的なものにはベンガルトラやアムールトラ、スマトラトラ、ジャワトラなどがいます。

開発により生息地が破壊されると、薬用や毛皮用の乱獲、人間や家畜襲う害獣としての駆除などによって生息数は激減し、20世紀に入ってから3亜種が絶滅したと言われています。

19世紀における生息数は約100,000頭と推定され、生息地を自然保護区に指定したり、生態系の調査や保護対策がおこなわれています。

(ライター ナオ)

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