昆虫の中には成虫となった普段見かける姿と、幼虫の頃の姿かたちが似ても似つかない種類も多く存在します。

中でも一番美しい蛾といわれるオオスカシバの幼虫の姿は、成虫とは似ても似つかないといえる部類に入るのではないでしょうか。

オオスカシバの特徴

オオスカシバはウグイス色の体に透明の翅をもち、花の蜜を吸う蛾の一種です。

スポンサーリンク

蛾というと今にも消えそうな点滅を繰り返す街灯の周りに集まるものを連想しがちですが、オオスカシバは昼間に行動する昼行性の蛾です。

翅を広げると約50mmから70mmくらいになります。

生息地は北海道を除く温暖な地方です。

透明な翅をもつ姿をみられるのは、初夏から夏の終わりにかけてです。

オオスカシバは蛾の中でもスズメガ科に入ります。

 

オオスカシバが美しいといわれるもっともな理由は、透明の翅です。翅そのものは透明ですが、黒い縁取りが微かに見えるのでステンドグラスのようでもあります。

この翅を高速で動かし花の周りを飛んでいます。

 

キバナコスモスなどの周囲にみられます。蜜を吸っている最中も高速で翅を動かす姿は、ホバリングを行うハチドリに似ているといわれたりします。

また、花の周囲に現れ高速で羽ばたく透明の翅が目視では見えにくく胴体部分の縞模様だけが見えるので、ハチに見える場合もあるようですね。

 

胴体部分をよく見るとウグイス色に尾の方には赤系、またお尻の部分には黒っぽい房のようなものがあり縞模様になっています。

お腹は白く触角は黒くて長めです。脚は白っぽく見えるようです。

蜜を吸う口吻ですが少し短めです。その為、口吻を伸ばして届くくらいの花の蜜を吸っています。

 

オオスカシバはちょっと面白い顔をしています。目がまんまるなのです。びっくりしているような顔立ちです。

オオスカシバはびっくりしながら高速で翅を動かし短い口吻を伸ばしながら必死に吸蜜をする蛾の一種です。

オオスカシバの幼虫

驚いているように見えるカラフルなオオスカシバですが、幼虫時代も鮮やかな体色です。

鮮やかな黄緑色の芋虫ですが、体長は6cmから10cmにもなります。

皮膚は緻密でむっちりしており、いかにもよく食べそうです。チョウの芋虫とはだいぶ色合いもサイズも違います。

スポンサーリンク

あごが発達していてクチナシの葉や新芽を好むことで知られています。

 

この幼虫のオオスカシバも顔を正面から見ると、予想に違わず面白い顔立ちをしています。

小さい手のように見えるもので葉につかまって食べています。尾角という突起のようなものがある方がお尻の方です。

この尾角が長くなるのもオオスカシバの幼虫の特徴です。しかし何といっても芋虫なので、そこまでよく見る機会もないでしょう。

 

クチナシは常緑の樹木であり、厚みがある葉がついています。白い花の開花時期は初夏から秋にかけてです。オオスカシバの幼虫はその葉をもりもり食べて成長します。

オオスカシバの幼虫には毒はありません。特に何の害もないのですが、クチナシの木が大好きなようなので、クチナシを庭木にもつ人にとっては悩ましい虫でしょうか。

 

幼虫が現れる時期は5月から9月頃のようです。

オオスカシバがクチナシの葉の上などに産卵し、幼虫になって出てきます。

黄緑色なので葉に隠れそうですが、大きい芋虫なのでよく見ていれば必ず発見できます。取り除きたい場合はつまんでも特に害はありません。

 

ただし、葉や枝にオオスカシバの幼虫がしがみついている場合は無理に枝などから離そうと引きはがすと稀に幼虫の脚の部分が欠損してしまいます。

そういった場合は、枝ごと少し切って飼育しましょう。

オオスカシバの幼虫を飼う

オオスカシバの幼虫に毒はありません。オオスカシバは蛹の時期がある完全変態の昆虫です。

チョウやガの一番興味深い行動は、羽化の瞬間です。その為もし自分の家の木にオオスカシバの幼虫を発見したら、飼育してみるというのもおすすめです。

オオスカシバは羽化の直後には翅に鱗粉がついています。成虫になり翅を動かすようになるとその鱗粉は徐々にとれていき、透明な翅が現れます。

 

クチナシの葉をそのまま取って、飼育ケースに入れてみます。よさそうな葉があればそれも適宜入れます。

土を入れてとりあえず待ちます。水分はスプレーボトルなどに用意します。直射日光を避けられる場所に置きます。

 

春先にいたオオスカシバの幼虫なら2週間ほどで羽化します。

秋にいた幼虫の場合は土に潜り込み蛹になります。春先の場合オオスカシバは羽化し成虫になりますが、秋生まれの幼虫は蛹のまま越冬します。

オオスカシバの幼虫の蛹

蛹になる直前は体が大きくなり、少し水っぽい糞をします。若干体色が褐色っぽくなることがありますが、具合が悪いわけではないのであまり気にしないでいいようです。

土の中で糸を吐いて繭をつくり始めます。蛹の中で脱いだ最後の殻は赤茶色です。

 

羽化したてのオオスカシバの翅は、翅も小さく不透明な白い粉で覆われています。

オオスカシバは翅を伸ばしたり調子を確かめながら、約2時間ほどかけて成虫になります。オオスカシバが飛べるようになったら放してください。

オオスカシバの幼虫について

オオスカシバは幼虫も成虫も毒はありません。

オオスカシバの幼虫はびっくりするくらいクチナシの葉を食べるようなので、飼育する時は新しい葉をたくさんあげましょう。

(ライター:おもち)

スポンサーリンク