フナムシという虫を見たことがありますか?

海岸に出かけることのある人にはおなじみの虫ですが、エビなどの仲間でもあるフナムシはとても弱いように見えて、実は噛みつく!?

今回はそんなフナムシについて詳しくお話ししていきます。

フナムシの特徴

フナムシは甲殻類等脚目フナムシ科に分類される動物です。

熱帯から温帯の海岸に広く分布する代表的な海岸動物で、日本にはLigia exoticaという種類が生息し、フナムシと言われます。

体長は最大5㎝程で等脚類の中でも大型。

 

体から上部分はまるで押しつぶしたように平たく、多くの節に分かれています。

各節には全部で7対の歩脚があり、頭部には長い触角と大きな複眼があり、尾部には2つに枝分かれした尾脚が1対あります。

 

背中側の体色は鈍い光沢のある黒色で、淡黄色のまだら模様があるものや、褐色の縁取りがあるもの等がいます。

動きがとても敏捷で、人間や大型の動物が現れると一目散に岩石の陰に逃げ込むので、捕獲するのはとても難しい生き物です。

通常は海に入ることはありませんが、万が一海水がかかったり、落ちた場合でも一時的には泳ぐことが出来ます。しかし、長時間泳ぐことはできません。

フナムシの生態

食性は雑食性で藻類や生物の死骸など様々なものを食し、海岸の掃除役としての役割もあります。

天敵はイワガニやアカテガニ、イソヒヨドリ、シギ、チドリ類などで、海に落ちた場合には魚にも捕食されます。

メスは腹部に保育嚢も持ち、ここで卵を保護します。

 

卵は初め透き通った橙色をしていますが、徐々に黒ずんできます。

孵化した後の幼体は成体と同じ体型をしていて、孵化後もしばらくはメスの保育嚢に掴まって生活をします。

フナムシの近縁種

フナムシの近縁種のシースレーターはノルウェーから地中海にかけてのヨーロッパと北米のケープコッドからメイン週にかけて広く見られます。

フナムシより小さく、体長は3㎝程。シーローチとも呼ばれています。

また、ヒメフナムシはフナムシに似ていますが体長は1㎝未満で、森林の落葉の下などに生息しています。

フナムシの利用

フナムシは甲殻類なのでエビやカニなどと似た味を想像されがちですが、強い苦みと腐敗臭があり、とても食べられるような代物ではないようです。

しかし、脚の付け根のわずかな筋肉はわずかに甲殻類系の風味があると言われていますが・・・そこだけを食べるような機会はほとんどないでしょう。

また、海岸では一般的にどこにでもいるので釣り餌としても利用されているようです。

フナムシは噛む!?

フナムシは積極的に噛みついてくるような生きものではなりません。

しかし、いわば等フナムシが生息しやすい場所で寝ていたり、座っていたりすると噛まれてしまうということはあるようです。

 

実際、フナムシにとっては二との肉はご馳走で、水死体に沸いたりすることもあるようです。

噛まれた時の痛みはそれほど強烈なものではありません。ちょっとチクっとする程度なのでが、フナムシに噛まれたという事実が精神的なダメージを与えるようです。

 

フナムシに毒はありませんし、噛まれて腫れるということもほとんどないようです。

万が一腫れてしまって腫れが長時間ひかないようなことがあれば、病院を受診することをおすすめします。

 

噛まれないようにするには、フナムシのいるような場所で座ったり、寝転んだりしてじっとしていないこと。

動き回っている分にはフナムシの方から逃げていきますので、噛みつかれることはほとんどありません。

逆に長時間じっとしていたり、休んでいたり等じっとしているとフナムシの方から寄ってきて噛みつくことがあるようですので注意が必要です。

(ライター ナオ)