でんでん虫でおなじみのカタツムリ。

彼らがコンクリート食べるって信じられますか?

カタツムリの特徴と生態

世界中にカタツムリの種類は20,000種ほど。日本だけでも700種類が存在しています。

日本でカタツムリと言われているのはオナジマイマイ科とニッポンマイマイ科に属する種類。

カタツムリは軟体動物門に属する貝類の一種なんです。

移動能力が低いので、地域ごとに種分化が起こりやすい生き物です。

 

日本に生息しているカタツムリは数ミリ~数センチほどのものが多く、最大種は殻の径が60㎜程の四国に生息しているアワマイマイと言われています。

カタツムリは乾燥に弱い種類が多く、一般的に湿度の高いところを好む傾向にありますが、中には砂漠のような場所に棲んでいるカタツムリもいて、地域や種類によってばらつきがあります。

 

カタツムリの殻はヤドカリのように脱ぎ捨てられるものではなく、れっきとした体の一部。

体から染み出した石灰が殻を形成しているわけで、中には内臓の一部も含まれていて、しっかりと血が通っているんです。

 

その証拠に、例えば殻に穴が開いてしまった場合でも、生物の傷口が自然に治っていくように殻の穴は塞がっていきます。

カタツムリには2対の触角があり、長い方には目がついていますが、この目は明暗しか区別することが出来ません。

 

雌雄同体で、土の中に卵を産みますが自家受精も出来ます。

自家受精した場合は産卵数や孵化率が著しく低下してしまうので、一般的には交尾をする個体の方が多いようです。

 

卵は炭酸カルシウムの殻で覆われた球形のものが多く、他にも寒天質のものや、違いを産む種類もいます。

頭部の後方側面に生殖孔があり、土の中に一つずつ産み落とされ、一か所にまとまっているのが普通です。

 

1週間~1か月ほどで孵化し、その時点ですでにカタツムリの形をしています。

寿命は、種によって違いはあるようですが、野生下においては1~数年程度だと言われています。

飼育下では平均して3~5年は生きられるようです。

カタツムリの殻の秘密

カタツムリと言えば、最大の特徴が殻!

この殻の巻き方には右巻きと左巻きがあります。

 

上から見てからの口が右にあれば右巻き、左にあれば左巻き。

ちなみに、カタツムリの殻はカルシウム分で作られていますので、石灰分の多い土地には多くのカタツムリが生息しているそうですよ。

 

日本のカタツムリは種ごとに牧野方向が遺伝的に決まっていて、大部分の種は右巻きです。

殻の表面は殻皮と言われる薄い膜で覆われています。

 

石灰質で出来たからの表面を覆っているのは、殻本体を腐植から保護する役割を果たします。

また、それ以外にもから表面に汚れをつきにくくしたり、採色することによって殻を背景に溶け込ませるという保護色の役割などもあると言われています。

 

殻の表面には細かい凸凹が規則正しく無数にあり、殻の接着面を少なくすることによって殻の表面に付着したごみの汚れなどが雨で流れやすくなっています。

このことによって、殻の表面を清潔に保つことが出来るというわけ。

このカタツムリの殻の構造は私たちの家の外壁などに利用されています。

カタツムリがコンクリートを食べるわけ

コンクリートは砂利や砂、水をセメントで凝固させた硬化物です。

雨が降った後、風雨にさらされたコンクリートからは炭酸カルシウムが染み出します。

 

一方、カタツムリの殻はカルシウム分で作られていますので、成長するためには殻の成分を外から補わなければなりません。

カタツムリのエサである葉や苔からカルシウムを摂取するのには限界があり、なかなか多くを摂取できないもの。

 

ところがコンクリートからは一度に沢山のカルシウムを摂取することが出来、カタツムリたちはそのカルシウムを求めてコンクリートにやってきて、コンクリートを舐めているのではないかと考えられます。

 

そういわれると、生態の似ているナメクジがコンクリートの上にいることはあまり見たことがないような気がします。

彼らがいるのは、常に葉の裏や茎。彼らには大量のカルシウムは必要ないことの現れでしょうか。

(ライター ナオ)