通常、哺乳類は卵を産みません。

それは小学生でも知っている常識ですね。

 

しかし中には例外も…それが「カモノハシ」。

カモノハシは哺乳類であるにも関わらず、卵から生まれるという何とも奇妙な生き物なのです。

今回はそんなカモノハシの生態や、なぜ卵を産むのか?という疑問について、迫っていきたいと思います。

カモノハシの生態

まずは「カモノハシって本当に哺乳類なのか?」と疑問に思っている人も多いことでしょう。

クチバシは鳥のようにも見えますし、そう思う人がいても不思議ではありません。

「ペンギンの仲間です!」と言われた方が、よほどしっくりきますし。

 

しかし、カモノハシは「カモノハシ科カモノハシ属」に属するれっきとした哺乳類。

この科に属しているのはカモノハシ一種だけなので、近い仲間はいないということがよくわかりますね…。

 

ただ、同じように「卵を産む哺乳類」の仲間としては、「ハリモグラ」が存在します。

生息地はオーストラリアの熱帯雨林や、高山地帯などの川や湖などです。

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全長は約60㎝、体重は1kg~3kg。

その姿は鳥のような哺乳類のような…不思議な外見をしていますが、特殊なのは見た目だけではありません。

 

クチバシには高性能のレーダーのような役割が備わっており、生き物が発する電流や水流を感じ取ることができます。

カモノハシは目を開けたまま泳ぐことができませんが、このレーダーのおかげで目を閉じたまま狩りをすることができるのです。

 

また、オスの後足には毒針があり、これを食らうと小動物程度なら十分にあの世行きにできるんだとか。

うーん…知れば知るほど、摩訶不思議な生き物ですね。

その奇妙な姿から、かつては空想上の生き物だと思われていたくらいですから。

カモノハシはなぜ卵を産むのか

それではいよいよ、カモノハシが卵を産む謎について迫っていきましょう。

まずその理由を簡単にまとめてしまえば、「より原始的な哺乳類だから」です。

哺乳類の祖先って何か知っていますか?

 

人間も犬も猫も、すべての哺乳類の歴史を辿って行くと、それは「爬虫類」なんです。

正確には「哺乳型爬虫類」と呼ばれる種類ですね。

 

哺乳型爬虫類以外の生き物たちは、その後鳥類や爬虫類として別々の進化の道を進みます。

そもそも哺乳類の定義は「胎生であること」ではなく、「母乳で育ち肺で呼吸すること」。

 

すなわち卵から生まれようがクチバシがあろうが、母乳で育って肺呼吸していれば哺乳類なのです。

つまり…もともとは哺乳類(の祖先)はみんな卵を産んでいたんです。

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よく考えてみれば、人間だって元々は一つの「卵子」ですからね。

そこから環境の変化に応じて進化を遂げ、「胎生」を獲得した哺乳類がより多く生き残り、結果として現在のような「哺乳類=胎生」という認識ができたという寸法。

 

カモノハシは実に6500万年前には既に存在していたとされており、中には恐竜が栄えるよりも前から存在していたのではと考える説もあります。

そんな太古の昔から、より原始的な特徴である「卵生」を残したままの哺乳類として、今も姿を変えずに生き続けているのです。

 

その証拠に、カモノハシの遺伝子を調べると、哺乳類・鳥類・爬虫類の遺伝子を寄せ集めたようなものであることがわかったんだとか。

今まで深く考えたことはなかったけれど、カモノハシの卵には古代のロマンが詰まっていますね…!

現在の人間も、卵生に戻れたら妊娠・出産が結構楽なんじゃないかな…という考えが頭の隅をよぎったりもします。

カモノハシについてのまとめ

不思議だと思っていた卵生の哺乳類。

しかし、もしも進化の過程で卵生の哺乳類の方が多く生き残っていたならば、逆に「胎生の哺乳類」と言うものの方が珍しい世界だったかもしれませんね。

現在の哺乳類だって、何千万年、何億年後には、再び卵生になっている可能性がある…かも?

(ライター もんぷち)

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