「アシナガバチ」と「スズメバチ」は、同じスズメバチ科の仲間なだけあって、見た目も生態もよく似ています。

しかしその危険度は全く違うので、きちんと見分け方を覚えて、危険を回避したいですよね。

そこで今回は、アシナガバチとスズメバチの違いや、見分け方についてまとめていきたいと思います。

アシナガバチとスズメバチの違い

アシナガバチとスズメバチには、似ているようで様々な違いがあります。

性格の違い

アシナガバチは大人しく、自分から人間を攻撃することは滅多にありません。

巣にいたずらしたりこちらからちょっかいを出さない限り、仮に家の軒下に巣を作られていたとしても、刺されることは少ないでしょう。

それに対してスズメバチは、とても獰猛で攻撃的です。

巣の近くをただ通りかかっただけで、攻撃を仕掛けてくることもあるほど。

そのため、巣を見つけても絶対に近寄らないようにし、被害を防ぐために駆除する必要があります。

スズメバチの種類ごとの危険度レベル

食べ物の違い

スズメバチもアシナガバチも同じ肉食のハチではありますが、アシナガバチは小回りが利かず俊敏性が無いため、動きの素早い獲物は捕らえることができません。

また、少々力強さに欠けるため、大型の昆虫などを餌にすることはありません。

 

そこで必然的に動きの遅い毛虫や青虫、中型の昆虫(蝶など)を主な餌としています。

しかしスズメバチは大きく強く、そして飛行能力にも優れているので、じつにさまざまな昆虫を捕えることができます。

 

バッタ、トンボ、チョウ、カマキリ、クモ、ハエ…そして時には他の種類のハチの巣を襲い、餌とすることもあるのです。

同種以外は全て餌ということですね。

アシナガバチの種類のまとめ

毒の危険性

どちらも大変危険な毒を持っているというところは共通しているので、刺されないように気を付けなければなりません。

刺されると患部に激痛が走り、次第に大きく腫れ上がり、しばらくの間痛みを伴います。

 

彼らは一度しか刺せないミツバチとは違い、毒液が続く限り何度でも刺せる上に集団で攻撃を仕掛けてくることもあるので、一度に何カ所も刺されてしまうととても危険。

また、どちらも2回目以降はアナフィラキシーショックを起こす危険性があり、最悪の場合死に至ることもあるのです。

 

アシナガバチは針で刺す攻撃のみですが、スズメバチの場合は毒液を噴射して攻撃をしかけてくるケースも。

その場合、毒液が目に入ると失明してしまう可能性もあるので、気を付けなければなりません。

やはり恐ろしいのはダントツでスズメバチのほうですね…。

アシナガバチとスズメバチの見分け方

アシナガバチとスズメバチ、似てはいるけれどその危険性にはかなり差があることがわかりましたね。

危険を確実に回避するためには、両者をきちんと見分けることが必要になります。

見分けるためのポイントはいくつかあるので、一つでもいいので覚えておきましょう。

見た目の違い

両者を見分ける一番の外見的特徴は、体型です。

横幅があり体格が良いのがスズメバチ、細身ですらっとしているのがアシナガバチです。

 

また、オオスズメバチなどは大きさが桁違いですので、パッと見て「デカい!」と感じたらスズメバチだと思っていいでしょう。

ただし、中には小柄な種類もいるので、それだけで判断するのは危険ですが…。

巣の違い

ハチそのものの違いよりも、巣の違いを見ると一目瞭然で見分けることができます。

アシナガバチの巣はシャワーヘッドのような形をしており、大きさは10cm前後と小さめ。

 

外殻がないので六角形の部屋が丸見えで、中の幼虫までよく見えます。

それに対してスズメバチの巣は外殻に包まれており、丸いボールのような形をしているのが特徴。

 

外殻の表面は鱗模様やマーブル模様をしており、大きさも10㎝~40㎝と巨大で、中にはなんと1mを超える巣もあるのです。

このように巣の見た目は全く異なるので、巣を見つけることができれば、アシナガバチなのかスズメバチなのかはすぐにわかりますね。

飛び方の違い

アシナガバチは小回りが苦手で俊敏さが無いため、飛び方を見ればすぐにわかります。

名前の由来でもある長い肢をダラリと伸ばして、フワフワとゆっくり飛んでいるのがアシナガバチです。

 

一方、ブンブン大きな音をさせながら、直線的に素早く俊敏に飛んでいるのはスズメバチ。

飛び方にも性格がよく出ていますね。

アシナガバチとスズメバチについてのまとめ

スズメバチは攻撃性が高くとても危険なので、巣を見つけたら早急に駆除をするのが望ましいです。

しかし一方で、アシナガバチは毒性は強いものの、自分から人間を襲うことは少ないので「虫を食べてくれる益虫」として共生していくこともできます。

どちらにしろ見つけたら駆除!と言うのも間違いではありませんが、できるなら自然に共生していける道を選びたいものですね。

(ライター もんぷち)

スズメバチの種類ごとの危険度レベル