アシナガバチはスズメバチ科のハチです。

スズメバチと言えば、とても攻撃的で毒性も強い恐ろしいハチ…同じ科の仲間であるアシナガバチも、危険なハチなのでしょうか?

今回はアシナガバチの生態や危険性、そして女王蜂の特徴などについてまとめていきたいと思います。

アシナガバチの生態

一言でアシナガバチと言っても、その種類はなんと全世界で1000種類以上。

日本でも11種類が生息しています。

大きさは2㎝前後で、細身の体とすらっと伸びた長い肢が特徴。

スズメバチと同様に肉食で、巣の構造も似ています。

 

当然ながら毒もあるので、刺されれば最悪の場合アナフィラキシーショックを起こして死に至ることも…。

アナフィラキシーショックが起こらなくても、刺された時の痛みはスズメバチよりも強いと言われるほどなので、要注意です。

しかし、スズメバチと大きく違うのはその攻撃性。

 

超攻撃的なスズメバチに対し、アシナガバチは大人しく、自ら人間を攻撃してくることはほぼありません。

むやみに巣を攻撃したり捕まえたりしようとしなければ、刺される心配はないでしょう。

 

害虫どころかむしろ益虫としての一面もあり、蛾や蝶の幼虫を捕食してくれるため、農作物を守るのに一役買ってくれているのです。

巣の大きさも国内の種では10cmほどですし、ガーデニングや家庭菜園をしている人は、アシナガバチの巣を見つけても駆除せずに役立ってもらうのが吉。

ただし、お子さんがいる場合はうっかり巣にいたずらをしたりする場合もあるので、駆除しておいた方が無難かもしれません。

 

アシナガバチの巣は基本的に1年だけの使い捨てなので、冬になると巣は空っぽになります。

再び殻の巣が利用されることはほとんどありませんが、他の害虫の温床となる場合もあるので、見つけたら撤去してしまいましょう。

 

女王蜂は冬眠を終えると元の巣の近くに戻ってくる習性があるので、空の巣があった付近に、新しい巣を作る可能性もあります。

巣があった場所は、次の春以降もチェックしておきましょう。

アシナガバチの女王蜂

アシナガバチの女王が活動を始めるのは、冬が明けた4月中旬から5月にかけて。

この時期に単体で行動しているアシナガバチは、ほぼ女王蜂だと思っていいでしょう。

 

女王蜂は他の働き蜂やオスの蜂に比べ、体が一回り大きいのが特徴ですが、それ以外の違いはほとんどありません。

冬眠から覚めた女王蜂は元の巣があった場所に戻り、他の女王蜂と密集して暮らします。

 

そしてしばらく花の蜜などを摂取して空腹を満たしながら過ごし、いよいよ新しい巣作りに向けて活動を開始。

木の繊維と唾液を混ぜながら巣を作り、部屋が1~3個出来たらすぐに卵を産み付けます。

 

6月頃には働き蜂がどんどん羽化を始めて数が増え、そうなると女王蜂は働くのをやめて産卵に専念するように。

8月頃になるとオス蜂や新女王蜂たちも誕生し、女王蜂の役目もあとわずか。

 

10月頃には新女王蜂とオス蜂が交尾を行い、新女王蜂は冬眠するための場所を求めて旅立ちます。

巣に残った女王蜂や働き蜂たちは、そのままじっと動かなくなり、気温が下がってくるとその短い生涯に幕を閉じるのです。

アシナガバチについてのまとめ

アシナガバチは軒下やベランダなど、様々な場所に巣を作ります。

巣自体も小さいので、巣があることに気付かないケースも多いでしょう。

 

積極的に人を襲う性格ではないのは幸いですが、時々洗濯物の中に紛れ込んでしまっていることもあります。

私も子どもの頃、靴下の中に入っていたアシナガバチに気付かず、そのまま履こうとして刺された経験が…。

それ以来、靴下を履くときには細心の注意を払うようになりました。

みなさんも気を付けてください。

(ライター もんぷち)