アシナガバチがヒトにとって危険な事はよく知られています。

では、同じスズメバチ科でアシナガバチの仲間のコアシナガバチはどうでしょうか。

コアシナガバチの生態

コアシナガバチは、日本では北海道から九州まで広い範囲に生息するハチです。

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活動が活発になる時期は4月~11月にかけてです。

コアシナガバチの成虫は、約1.1cm~1.5cm程と小ぶりです。

体色は濃い茶色ですが飛ぶ姿は黒っぽく見えます。

 

林のような場所にも巣を作りますが、コアシナガバチの場合他のアシナガバチとは違い、コンクリート製の建造物付近や民家の壁などにも巣を作る事があり、一見ハチには見えないような目立ちにくいハチです。

 

外見の特徴は顔が黄色っぽく背中に黄色い筋のような線が入っているところです。

また、胴体部分にくびれもあります。

 

顔などはアリによく似ています。

しかし見た目の特徴までよく分かるまでにコアシナガバチに接近してしまっては、刺される可能性もなくはありません。

 

黒っぽい飛ぶ虫のようなものを見かけたら、コアシナガバチである可能性があります。

多くの刺すハチは、黄色と黒の縞模様が目印になりますが、コアシナガバチは見つけにくいタイプです。

コアシナガバチの巣の形について

コアシナガバチは巣の形に特徴があります。

巣作りは春先に始められ、民家の軒下などにも巣を作る事があります。

 

この季節だとまだ巣の大きさは3、4cmです。

巣は徐々に大きくなっていき、初夏あたりには巣全体の形が大きく反り返るようになっていきます。

 

巣の大きさに伴いコアシナガバチの個体数も増えていきます。

庭木のお手入れなどをしている時に、巣に気付かずにコアシナガバチに何度か刺されてしまう、という事があるようです。

 

コアシナガバチは確かに何もしなければ気付かないような大人しい生活をしてはいますが、巣に近寄ると容赦なく幾度も刺してくる一面もあります。

このことから、アシナガバチの中ではコアシナガバチが一番攻撃性を持つのではないか、といわれる事もあります。

コアシナガバチの巣の素材には樹皮の繊維などが使用されており、スズメバチの巣などよりも頑丈に出来ています。

スズメバチの巣の様に巣の内部を覆うようなものがなく、中が丸見えなのもコアシナガバチの巣の特徴です。

コアシナガバチの危険性について

刺さないハチもいますが、コアシナガバチは刺す方のハチです。

コアシナガバチに刺された場合心配されるのは、ハチの持つ毒性によって引き起こされるアナフィラキシー・ショックです。

 

アナフィラキシー・ショックとは、体内に入った異物に抵抗する際に起こるきわめて短時間に発生する激烈なショック症状です。

症状の出方は個人差が大きく、ハチの毒に関しては、ハチ毒アレルギーを持つ人だと症状が重篤化する場合もあります。

 

ハチやヘビなど毒を持った生物に対しアレルギーがあるかどうかは専門医による検査で分かりますから、気になる方やお仕事で林に入る方などは調べておくと良いでしょう。

 

万が一コアシナガバチに刺されたら、すぐに病院で手当てを受けてください。

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コアシナガバチに刺されると鋭い痛みを感じます。

後から腫れる場合もありますから、重篤化しない場合でもあなどらずに病院へかかってください。

コアシナガバチの一年の動きなど

ハチは社会性を持つ昆虫です。

年間スケジュールはわりと計画的に進められます。

 

コアシナガバチは小型ながらもスズメバチの仲間であり、一年の動きは似通っている部分もあります。

まず春先に女王蜂が単独で巣を作り始めます。

 

越冬後の女王蜂はエネルギー不足でよろよろしているので、比較的攻撃性が低い場合もあります。

女王蜂が産卵を始める時期になると徐々に忙しくなりイラつき始めます。

 

産卵、巣作り、幼虫の餌、など24時間フル回転状態です。

このような時期に、ヒトがコアシナガバチの巣に近寄るとイライラは頂点に達します。

初夏の5月頃のハチは危ないです。

 

女王蜂は刺しませんが刺すハチは雌でおしりのあたりから出ている産卵管が針に変化したものです。

初期の働きバチが出てくるのはだいたい7月頃のようです。女王蜂は夏の間は産卵に集中しています。

 

働きバチは育児に必死に専念です。この時期も危険です。

働きバチの数が増え、巣も完成に近づいています。

 

なるべく多くの子孫を残さねばならない大事な時期にヒトが近寄ると、イライラが炸裂します。

そして秋。女王蜂は産卵し続けるという大役を務め、エネルギーを全て使い果たし死んでいきます。

 

8月や9月には新しい女王蜂が出現し生殖機能を持つオスと交尾を行い、体内に精子をためたまま越冬します。

地域によって時期にずれがありますが、このようなサイクルです。

コアシナガバチの危険度は、初夏から秋にかけて高くなります。

 

本州において確認されたコアシナガバチの働きバチの数は、最盛期で約50匹だそうです。

コアシナガバチは幼虫時代は肉食のようです。

 

働きバチが昆虫の幼虫などを顎で噛み砕き、コアシナガバチの幼虫に与えます。

その間、女王蜂はさかんに産卵し幼虫たちは次々に孵化します。

基本的に刺すハチというものは、巣作り、産卵、幼虫の世話、餌の確保などにほぼ一年中必死であり、危険性はあると考えられます。

 

コアシナガバチがいる事に気付ければ注意できますが、気付くのが遅れ存在を知らないがために特に何の意図もないのに、コアシナガバチたちを刺激するような行動をとってしまう事も考えられます。

 

根本的にハチに刺される事による危険を避けるためにはやはり巣を作り始めた時点で駆除しないと、ハチはあっという間に数を増やしてしまいます。

コアシナガバチの危険性について

コアシナガバチなどのアシナガバチは、益虫であり邪魔をしなければ刺さないので巣を駆除する必要はないといわれる事もありますが、やや不正確かもしれません。

 

平気だった場合はいくつかの偶然がもたらした結果にすぎないかもしれず、コアシナガバチに刺される事はないという根拠にはなりません。

異様に恐れおののく事もありませんが、野生の昆虫は皆少なからず攻撃的な一面を持っています。

 

周辺地域にコアシナガバチの巣と思しき物体を見つけたら、特に初夏の場合は下手に触らず保健所などに相談するか、ハチ専門の駆除業者に任せましょう。

 

昆虫の中には名前に「コ」がつく種もあり、外見上小型な事もあるので、一見危険性があるように見えない場合もあります。

しかし中には、恐らく体が小さい事などから逆に獰猛にならざるを得ない事もあります。

結論として、コアシナガバチは民家に近い地域に巣を作る場合もある攻撃的なハチであり、危険性はあると考えられます。

(ライター:おもち)

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