コガネムシと言えば、キラキラと光る甲虫の中のひとつ。
カナブンと並んで、小さいころからよく目にしている昆虫です。
しかし、一方農業の分野ではちょっと厄介な存在。
彼らの駆除方法についてまとめてみました。
コガネムシの特徴と生態
コガネムシは日本ではほとんどの地域でみられる昆虫です。
自然界では桜やクヌギ等の広葉樹の葉っぱを餌にして生活しています。
しかし、それだけではなくマメ科の植物も大好きで、栗やブドウ、果樹などの樹液を吸ったり、バラの花や芽を食べたりもするので、種類によっては害虫指定されているものもいます。
一匹がする産卵は150~200ほど。何回かに分けて土の中に産み付けます。
土の中で3齢まで成長して越冬し、春になると土やもみ殻などで繭をつくり、そこで蛹になります。
5月頃に羽化して成虫になりますが寿命は短く、成虫のまま冬を越すことはありません。
コガネムシの被害
コガネムシの成虫は晩春から秋にかけて葉を葉脈だけにして網目状に食べたり、花びらや花芯をボロボロにしてしまいます。
また、幼虫は黄白色をしていて、夏から翌春にかけて植物の根を食べます。
一匹や二匹程度ではほとんど被害はありませんが大量に発生すると植物の生育が悪くなったり、品質が低下して収穫量も減ってしまいます。
野菜の苗だけでなく、樹木さえもその対象です。
コガネムシの防除
コガネムシの防除は、樹木の場合は成虫の動きの鈍い早朝などに樹を揺らして地面に落として処分します。
野菜や草花も同じように払い落とし捕殺します。
種蒔きや植え付けの時には堆肥などの有機物に幼虫が潜んでいないか注意しながら作業を進めます。
堆肥を作るときなどはビニールで覆い、成虫が産卵しないように注意します。
コガネムシの駆除
コガネムシの成虫の駆除はそれぞれの植物に適した薬剤が販売されていますので、そちらを購入して対処するという方法がありますが、コガネムシは薬剤を散布するとすぐに飛んで行ってしまうので、あまり効果的ではないようです。
それよりも、フェロモントラップを仕掛けた方が多くのコガネムシを退治できるようです。
ニトルアーという商品はコガネムシの好むフェロモンが仕組まれていて、強力な誘引力でおびき寄せ、一度中に入ると逃げ出せないような仕組みになっています。
雨にぬれても効果が薄れないことから、大量に発生してしまった時は有効です。
また、幼虫の場合はオルトランDX粒剤が有効のようです。
コガネムシの幼虫が発生した土にオルトランをまいておくと2~3日後には水分を奪われたコガネムシの幼虫たちが黒くなって死んでいます。
ぜひ試してみて下さい。
コガネムシの幼虫の見極め方
コガネムシの幼虫は一見、カブトムシやクワガタの幼虫と区別がつきませんが、よく観察するといくつか特徴があります。
コガネムシの幼虫の頭は黄土色をしていて、頭が小さく、顎も目立つほどの大きさはありません。
一方カブトムシの頭はこげ茶色をしていて、クワガタの頭の色はカブトムシよりもずっと明るく、オレンジ色をしています。
両者とも大きな顎を持っているのが特徴です。
カブトムシとクワガタの頭の表面は少し凸凹していますが、コガネムシの頭には目立った凸凹はありません。
もう一つ、紛らわしいカナブンの幼虫はコガネムシよりも更に頭が小さく、体毛も沢山生えていますし、カナブンの幼虫の場合は背中を下にした奇妙な動きをするのが最大の特徴です。
それぞれの幼虫はエサも違いますから、生息している場所も違うのが一般的ですが、山から持ってきた土などを畑に混ぜて使う場合にはカブトムシやコガネムシの幼虫が混在する場合もあります。
(ライター ナオ)