私たちがバッタと呼んでいる昆虫の中には、実は色々な種類がいます。

草むらなどでピョーンと飛ぶ緑や茶色の生き物の一部を総じてバッタと呼んでいるわけですが、その種類と飼育する時のエサについて詳しくお話していきます。

バッタの特徴

バッタはバッタ目バッタ亜目に分類される昆虫の総称で、イナゴも含まれます。

キリギリスやコオロギは同じバッタ目で、体形も良く似ているのですが、実は違いも多く、バッタの種類から外れます。

昆虫の中でも後脚が大きく発達していて、後脚で体長の数十倍の距離をジャンプできます。

細くて不透明な前翅と大きく広がる半透明の後翅からなりますが、中には成虫になっても翅の小さいフキバッタや飛べないヒシバッタやオンブバッタなどの種類もいます

体色は生息場所の環境に合わせた保護色で、緑や茶色、またはそれらを組み合わせたような色になっています。

 

地上性と植上性に分けることができ、植上性にはトノサマバッタやカワラバッタ、ヒナバッタ、マダラバッタなどが含まれ、爪の間の吸盤状の器官が発達して植物にしがみ付いたり、ガラスのように滑る面を自由に動き回ることが出来ます。

一方植上性のバッタにはショウリョウバッタやコバネイナゴ、オンブバッタ、フキバッタなどが含まれ爪の間には何もありません。

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バッタの種類と餌

トノサマバッタ

バッタの中で最も有名なバッタで、緑色や茶色のものがいます。

日本では全土に分布し、草原や河川敷などに生息し、体長はオスが40㎜、メスが60㎜。

 

警戒心が強く、人が近づくと勢いよく跳んだ後に翅を広げて飛び立っていくこともあり、捕まえるのはなかなか難しい。

エサは単子葉植物で、イネ科の植物がベスト。

猫じゃらしやススキなどの草、トウモロコシの葉などを食べますが、トウモロコシの若い葉には忌避物質が含まれているようです。

ショウリョウバッタ

翅を広げて飛ぶ時にキチキチッという音を立てることから、キチキチバッタなどとも呼ばれています。

体長はオスが45㎜、メスが80㎜で斜めにとがった頭部が特徴的です。

成虫は梅雨明け頃から晩秋にかけて発生し、背の低いイネ科植物の生えた明るめの草原に生息しています。

都市部でも公園や芝生、河川敷などに生息します。

エサはトノサマバッタと同じイネ科の植物。

ツチイナゴ

ツチイナゴは独特の模様がある褐色、黄褐色のバッタで、成虫の体長はオスが50㎜、メスが60㎜です。

体型や大きさはトノサマバッタやクルマバッタに似ていますが、全身が褐色で細かい毛が生えているのも特徴です。

 

背中には黄白色の線が頭部から尾部まで走り、複眼の下に黒い線、胸部の側面にも黒い縦縞があります。

日本では本州、四国、九州、南西諸島に分布し、クズやカナムグラなどの植物の草丈の高い草原に生息しています。

餌もイネ科の植物ではなく、クズやカナムグラ等です。

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オンブバッタ

体長はオスが25㎜、メスが42㎜前後で、バッタとしては小型の部類に入ります。

交尾の際にメスの背中にオスが乗る姿は他のバッタ類でも良く見られる光景ですが、オンブバッタは人が近づいてもなかなか離れようとせず、そのままの姿勢をとり続けることから名前が付けられたと言われています。

 

メスの方が大きく、体つきもずんぐりしていて、頭部はショウリョウバッタのように前方に尖っていますがショウリョウバッタよりも小型です。

 

日本では全土に生息し、草原や植物の多い半日陰の林縁などでも見られます。

また、都市部の緑地帯、空き地、庭園、花壇、家庭菜園などにも生息し、キク科の植物やシソ科、ヒユ科、タデ科、ナス科、ヒルガオ科などが食べられます。

エサはこれら全般の植物で、特にキクやシソの葉などを好むようです。

(ライター ナオ)

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