流行に翻弄される虫たち

夏の風物詩の一つであるカブトムシですが、昔に比べて最近の子供たちは家の中で遊ぶことが多く、特に都会ではあまり身近な存在ではなくなっているようです。

カブトムシやクワガタは昔は子供達の大の人気者で、大人にはごく一部のマニアな人たちの趣味としての限定的な人気がありました。

しかし、20年くらい前にカブトムシをめぐる環境にある大きな異変が起きました。

それは1999年(平成11年)に植物防疫法が規制緩和されたことで、外国産のカブトムシやクワガタが生きたまま大量に輸入できるようになった事です。

今まで外国産のカブトムシやクワガタは、当時の大人たちにとっては少年時代に標本や図鑑でしか見ることが出来なかった憧れの的です。

そんな大人たちは外国産のカブトムシやクワガタに一斉に飛びつきました。

昆虫専門店が乱立し、市場は一気に過熱気味となりました。

ところが、最初は高値で取引されていた虫たちは、徐々にその供給量が需要を上回り、一部の愛好家によって繁殖に成功した種も生まれた事でヤフーオークションなどで一般愛好家に安売りされるようになります。

こうなると、カブトムシの輸入行そのものが儲からない商売になり、また大衆の心は移ろい易いものですから、相対的に価値の無くなった外国産のカブトムシたちはメディアにも取り上げられなくなり、一気にブームが去っていく事になります。

地味でも魅力的なヒメカブト

ヒメカブトは日本のカブトムシと良く似た形と大きさですが、全体的には日本のカブトムシよりもやや小振りで好戦的なカブトムシです。輸入カブトムシとして人気があるのは、大型のヘラクレスオオカブト、ネプチューンオオカブト、コーカサスオオカブト、アトラスオオカブトですが、管理人が個人的に気に入っているのがヒメカブトです。

タイではこのヒメカブトを戦わせるカブトムシ相撲が伝統的に行われており、小さな体でも闘争心が溢れる猪突猛進タイプのファイターとして有名です。

また、このヒメカブトの特徴としてはオレンジ色に輝く美しいボディと、敵を威嚇する時に「シュッ、シュッ!」と鳴くことが挙げられます。

赤茶色に光り輝く美しいボディ

冬場の温度調整は必要ですが、比較的飼育が容易なカブトムシです。

(ライター まるお)

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