馴染みのある植物、ヒヤシンス。

香りの高いことでも知られるヒヤシンスについて、詳しくお話していきます。

ヒヤシンスの特徴

ヒヤシンスはツルボ亜科ヒヤシンス属に分類される球根性の多年草で、地中海東部沿岸からイラン、トルクメニスタン付近が原産です。

オスマン帝国で栽培されて園芸化されたと言われていて、日本へは1863年に渡来しました。

春先に香りのよい花を咲かせ、オランダでは多くの品種が育成され、ダッチヒヤシンスと呼ばれていて、約2000種があるとも言われています。

球根の表皮が花色と同じなので、球根を見るとおおよその花色がわかるのも特徴です。

通常は1球から1本の花茎が出ますが、大きな球根では更に1~2本の花茎が伸びてきます。

ヒヤシンスの種類

ヒヤシンスの原種の花色は紫青色だけですが、園芸種には暖色から寒色まで様々な色彩があります。

日本では10品種ほどが栽培されています。

 

花のタイプでダッチヒヤシンスとローマンヒヤシンスに分けることができ、その他花色でも区別されます。

ダッチヒヤシンスは1つの細長い茎にたくさんの花を咲かせる系統です。

水耕栽培に利用されることが多く、一株鉢に植えるだけでもボリュームがあります。

 

ローマンヒヤシンスは茎につく花の数は少ないものの、1つの球根から数本の茎を生やします。

香りがダッチヒヤシンスに比べて強く、丈夫で育てやすいとされています。

 

色ごとの品種では白色はカーネギー。

黄色はシティー・オブ・ハーレム、青色にはデルフトブルーやブルージャケット。

 

ピンク色にはピンクパール、フォンダン。

赤色にはアムステルダム、薄紫色にはスプレンディドコーネリア、オレンジ色にオデッセウスがあります。

ヒヤシンスの栽培

ヒヤシンスはダッチ系とローマン系では栽培方法が違ってきます。

ダッチ系は水栽培によく利用され、一本の茎にたくさんの花がついてボリュームがあり、豪華ですが、根が分球しづらく増えにくいです。

 

一方ローマン系は一本の茎につく花の数は少ないですが、一つの球根から数本の花茎が出ます。

球根も自然に分球しやすくよく増えます。

 

一般的にヒヤシンスというと、ダッチ系の品種を指して言うことが多いようです。

水栽培は基本的には一度花を咲かせると来年咲かせるのは難しいと言われていますが、花のあとに根を折らないようにして土に植え替えて球根を太らせると、次の年も花を咲かせることが出来ます。

 

根が出るまでは涼しくて暗い場所に置き、根が伸びてきたら徐々に水野量を減らし、週に1回は水を取り替えるようにします。

日当たりのよい場所が最適ですが一定の低温に当たらないと花芽がつかないので、12月くらいまでは外で管理してから室内に取り込むようにします。

 

開花時期は2~4月で、花が終わったら花がらは摘み取るようにしましょう。花がらを摘むのは種が出来て球根を弱らせないためなので重要な作業です。

葉が黄色くなったら、球根をあげます。

 

土に植えた場合は2~3年に1回を目安にほりあげ、新しい土で育てるようにしましょう。

掘り上げた球根は周りの土を良く落として陰干しし、風通しのよい涼しい日陰で貯蔵し、秋になったら植え付けます。

 

球根の乾燥をしっかりしないとカビでだめになることがあるので、注意しましょう。

生育期は土の表面が乾いたら、たっぷりの水を与えます。

 

花が終わってから休眠に入っていくまでは水やりの回数を減らし、6月頃には完全にストップしてしまいます。

肥料は植え付けの際に緩効性の肥料をたっぷりと混ぜ込み、その後は液体肥料を1週間から10日に1回のペースで与えるようにします。

 

球根の植え付けは10月で、庭植えの場合は約10㎝程の深さに1.5個分のスペースを空けて植えます。

鉢植えの場合は球根の頭が土の上に出るくらい浅く植えて、根が十分に張れるスペースを確保しましょう。

軟腐病に注意が必要です。

球根にはくれぐれも傷をつけないように扱いましょう。

(ライター ナオ)